「な、なん亜鉛 サプリ おすすめ

「な、なんで」
 ミモザは思わず後退る。
「なんでもよ!」
「ステラ、いいサプリメント マカから……」
 アベルが止めようとステラのマカ サプリ肩に手をかける。
(そうだ!止めろ!お前の責任で止めろ!)
 ミモザは心でエールを送った。しかし、
「ミモザ!」
 ステラはその手を払いのけた。そのままミモザに詰め寄る。
亜鉛 の サプリ「このままなんていけないわ。許されないまま、許さないままなんて絶対によくない」
(いや、それ決めるのお姉ちゃんじゃないし)
 と、内心で思いつつ姉の迫力に負けて言い出せないミモザである。
 結局ミモザが言えたのは「い、い、いやだ」という弱々しい言葉だけだった。
「ミモザ」
「いやだ」
「ねぇ、お願いよ」
「いdhaやだぁ」
「ミモザだってお友達が減っちゃうのは嫌でしょ?」
「いやだぁ」
 あ、しまった、と思った時にはもう遅かった。恐る恐る姉を見ると、彼女は満面の笑みを浮かべていた。
「そうよね!わかってくれるわよね!ミモザ!」
「いや、ちがっ、そうじゃなくて!」
「約束よ!わたしが勝ったら仲直り!」
 そう言ってミモザの両手を取りステラはぶんぶんと振り回すと、教師から集合の合図がかかったことに気づいてそちらへと行ってしまった。
「い、いやだぁ…」
 ぽつんと1人たたずんで、ミモザはぽつりとつぶやいた。
 亜鉛そしてちょっと泣いた。
 ミモザにとって別の意味で負けられない戦いが始まった瞬間だった。

 学校生活がうんぬん、これからの人生がかんぬん。
 校長が何か長い話をしている。それをぼんやりと眺めていると、やっと話が終わったのか壇上から降りていった。
「生徒代表」
 アナウンスに答えて「はい!」と元気よく返事をしたのは、当たり前のようにステラだった。
「宣誓!」
 そのまま選手宣誓を始めるのをぼんやりと眺める。これから始めるのはそれなりに暴力的な行為のはずなのに、それは随分と牧歌的な光景であった。
 定型文のそれはすぐに終わる。ステラの美しいハニーブロンドが青空によく映えた。くるりと身を翻して壇上から降りるその姿はすdha epa dhaらりと背筋を伸ばし、自信に満ち溢れている。
 ぶるり、とミモザは身震いをした。
 段々と、ゲームの本編が始まったのだという事実に実感がともなってきたのだ。
 ステラの姿、選手宣誓の言葉、あらゆるところに既視感が溢れている。
 どきどきと心臓が脈打つ音が聞こえる。じっとりと汗が滲み出てきていた。教師の指示に従い、試合のための場所へと移動する。
 田舎の村の生徒の数などたかが知れていた。そのため試合のためのコートは2つしかない。ただ校庭に長方形に縄で印がつけられただけの場所だ。
 そのうちの一つへと案内されて立った。目の前に対峙するのは当然、ステラだ。
 彼女の美しいサファイアの瞳が、情熱に燃えて凛とこちらを見据えていた。
「用意を」
 審判役の教師に促され、お互いに守護精霊を武器の姿へと変える。
 ミモザのチマカ サプリロはメイスへと。
 そしてステラのティアラは美しいレイピアへと姿を変えた。
 ぞくぞくと、身が震える。ゲームの姿通りの彼女が目の前にいる。
 ステラの目に不安はない。いつだってそうだった。彼女は自信に溢れ、自身の存在価値を疑わない。
(僕なんかに負けないって思ってるんでしょ)
 ステラがレイピアを正面に構える。ミモザもメイスを構えた。
(だからあんな賭けを持ち出したんでしょ?)
 勝つと信じているから、軽々しく『賭け』を持ち出せる。
(そういえば……)
 ミモザが勝った時の対価を決めていなかったな、と思う。ミモザもだが、それくらい自然に彼女は自分の勝ちを確信しているのだ。
「お姉ちゃん、僕が勝ったら何をしてくれるの?」
 そう尋ねると、彼女は驚いた顔をした。
「あら、そういえばそうね。……うーん、じゃあ、わたしにできることならなんでも」
 本当に軽々しいな、とミモザは思う。しかし別にそれでいい。今は、
(せいぜい油断すればいい)
「その言葉、忘れないでね」
「もちろんよ、ミモザ」
 彼女は余裕の表情で微笑んだ。
「両者dha、準備はいいか?」
 2人は同時に頷く。その姿は鏡写しのように瓜二つなのにその表情は正反対だ。
 1人は微笑んで、
 そしてもう1人は無表情だった。
「試合時間は20分。決着がつかなかった場合は仕切り直しとする。それでは、用意……、始め!」
 戦いの火蓋は切られた。
 その言葉と同時に、まず動いたのはステラだった。彼女がレイピアをまるでステッキのように振ると、そこから氷の破片が次々と放たれた。それをミモザは走って避ける。
(学校の履修程度でこの威力かよ!)
 地面に突き刺さった破片はそのまま周囲を凍らせる。あっという間にコートの1/3は氷に包まれてしまった。あまり放っておくと足を取られる可能性が高いため、できる限りでメイスを振るい氷を破壊する。
 レベルは3年間修練を積んだミモザのほうが高いはずだ。しかし現時点でMP量も魔法の威力もステラの方が上回っている。
 ステラの弾幕のように放たれ続ける氷を避けながら、ミモザは棘を伸ばして反撃を仕掛けた。しかしそれはあっさりとかわされる。当たり前だ。ミモザの棘は直線でしか攻撃できないため、長距離を取られると軌道が読みやすい。その上コート上では遮蔽物も何もないのだ。複数の棘を伸ばしたところでその数はたか亜鉛の効果が知れているし、起点が同じ以上あまり数の利点はない。
 そして今回は試合なので時間制限がある。消耗戦は狙えない。
 本当に不公平だと思う。ステラのその才能の半分でもあれば、ミモザはきっと救われたのだろう。
 だってステラはまだ、持っている属性攻撃のうち一つしか出していないのだ。
 ステラの持つ属性は二つ。それは最初から目覚めている。一つは氷、そしてもう一つはーー、
「ミモザ」
 その時ステラが口を開いた。その唇は褒めるように慈悲深い微笑みをたたえている。
「戦うのがとっても上手になったのね。お姉ちゃんは嬉しいわ」
「何をーー」
「だからね、ミモザ」
 彼女は慈悲深い微笑みのまま、レイピアを天高くに掲げてみせた。
「わたしのとっておき、見せてあげるね」
 その手が振り下ろされる。それはミモザには首を切るギロチンを想像させた。
 彼女のもう一つの属性攻撃、光だ。
マカ と は亜鉛 サプリ おすすめマカ と は亜鉛 の サプリ

「じゃあ、そろゴーヤ

「じゃあ、そろそろ塔のマカ と は最上階へと行きましょうか……」
クロム なんとか立ち直ったジーンは力無くそう言った。まだその顔色は青白い。
「ジーン様はもう鍵を見つけられたのですか?」
「え?ええ、先ほど拾いました」
 そうアントシアニンの効果言って彼は、銀の鍵を取り出してみせた。
「……………」
「まぁさすがに金は見つかりませんよ。でも思ったよりすぐに見つかって良かったです」
「すぐに」
「ええ、入り口の近くに落ちてまして……」
 にこにこと悪気なく笑うジーン。ミモザは無言で自分のハンカチを取り出すとそこに包んでいた大量の銅の鍵をザーっと地面へとばら撒いた。
「えっ、ミモザさん、随分と大量に……」ゴーヤ
 言いかけて気づいたのか彼はそこで言葉を止めた。
「えっと」
「すぐに見つかったんですか」
「え、えーと、どうだったかな」
「入り口の近くで」
「もしかしたら結構込み入ったところにあったかも」
 誤魔化すジーンに、ミモザはにこりと笑いかけた。
「ジーン様、いつ塔にいらしたんですか?」
「えっと、10分、いや15分前かな」
「そうですか、僕は朝の5時頃からいます」
「…………」
「今、何時でしたっけね……」
「え、えーと」
 気まずそうにジーンは言った。
「そろそろ昼食時ですね……」
「ふっ」
 ふっふっふっ、とアントシアニンの効果ミモザは笑う。声は笑っているがその表情は半泣きだ。
「ミモザさん……」
 痛ましいものを見る目でジーンはそっと、ミモザの背中に手を添えた。
「大丈夫です。現実をしっかり受け止めましょう。怖くないですよ」
「うわーん!!」
 ミモザは再び地に伏した。ジーンは先ほどのミモザのように無言でその背中を慰めるように撫でた。

「行きましょうか……」
「はい……」
 2人してしょんぼりと肩を落として歩く。階段を登ってすぐにその扉はあった。
 鍵をさす。回す。
 かちゃり、と小さな音を立ててその扉は開いた。本来なら初めての塔の攻略に感慨深くなるのかもしれないイベントを2人は無感情に淡々とこなした。
 感動するには2人とも心が疲弊しすぎていた。
 扉の向こうには暗闇が広がり亜鉛 サプリ、そこには一つだけ光が浮かんでいた。それはゆっくりとこちらへ近づくと右手の甲へと吸い込まれるように消えた。そこには花のような紋様が現れ、その花弁の内の一枚が銅色に染まった。それ以外の残り6枚の花弁は肌色のままである。
「塔の攻略の証ですね」
 そう言うジーンの手の甲には銀色の花弁が輝いていた。
 それを見てミモザはちっ、と舌打ちをする。
(そうだ、試しに……)
 第一の塔で得られる祝福、『観察』を使用してみる。使うことを意識してジーンのことを見てみると、そこにはゲーム画面で見るような表示が現れた。
『Lv強い MP多い HPまぁまぁ』
「………クソゲーめ」
 ミモザ、ハードモード確定の瞬間であった。

「では、僕はこれで」
 塔から出たところでジーンはそう言って小さく手を振って見せた。
「王都はこっちですよ?」
 来た道を指差して見せるがジーンは首を横に振る。
「先生に念のため塔の周辺を見て回るように言われているんです。野良精霊の異常が塔の周辺で起きるサプリメント マカと大変ですからね」
 ジーンは明言しなかったがおそらくその『大変』の中には塔の試練を受けに来て被害者が出ると被害者遺族の会との関係がまた悪化しかねないことも含まれているのだろう。
 そういうことならとミモザも同行しようか迷ったが、ステラと鉢合わせしてしまう危険性を考えるとそれははばかられて結局見送ることにした。
 ただでさえ銀の鍵が見つからなかったせいで予定が押しているのだ。当初の予定通りにいっていればとっくに帰っている時間である。
 ジーンが塔の奥にある森へ立ち去っていくのを見送って、ミモザもさて帰るかと振り返ろうとしたところで、
「あら、ミモザ?」
 嫌な声がした。見たくはなかったが見ないわけにもいかないのでゆっくりと振り返る。
 風に靡くハニーブロンドの髪、星を孕んだサファイアの瞳、透き通った肌に淡いピンクの艶やかな唇。
 にこりと笑って、彼女は言った。
「奇遇ねぇ、こんなところで会うなんて」
「お姉ちゃん……」
 そばにはアベルを伴って、ステラがそこには立っていた。
「あら?」
 何かに気づいたようにステラは目を見張り、そしてそれを見てふふっ、と嬉しそうに笑う。
「ミモザ、もう塔に行ったのね」
 ミモザの右手を見たのだろう。そdha epaこにある紋様は塔を攻略した証だ。
「銅だったの?残念だったわね。でも大丈夫よ、ミモザ」
 彼女は微笑んで、慰めるように続ける。
「次の塔ではきっと銀が取れるわ」
「……うん。そうだといいね」
 ゲームではミモザは銅しか取れない定めであった。次も銅の可能性が高い。
 対してステラはあえてハードモードを選択しなければ銀以上は確実だろう。
(不公平だなぁ)
 はぁ、とため息をつく。
 卒業試合以降ステラときちんと顔を合わせたのはこれで2回目だ。1回目は試合後の夕食だ。その時はさすがにステラも無言で非常に気まずかったが、今の様子を見るにどうやら立ち直ったらしい。
 まぁたった一度の負けでへこたれる人間ではないだろうとは思っていたが、それにしてもご機嫌である。
「……何かいいことあったの?」
「わかる?」
 うふふ、とステラは笑うと「ジャーン」と可愛らしいお花柄の巾着袋を取り出して見せた。
「これなーんだ!」
 そう言いながら巾着袋を開けてその中身を手のひらに広げて見せた。
 じゃらじゃらと流れ出てきたそれは大量の魔導石であった。
亜鉛 の サプリdha epa dhaポリ ペプチドアントシアニンの効果

 レオンハルサプリメント マカ

 レオンハルトとの出会いから3ヶ月後、ミモザは、
「ふ亜鉛 の サプリんふんふんふん!」
 腕立て伏せゴーヤ チャンプルー100回も軽くこなせる細マッチョへと華麗なる変身を遂げていた。
「ふんふんふんふん!」
 腹筋もなんのそのである。お腹にはうっすらと線が入り夢のシックスパックである。
「ふんふんふんふんふ亜鉛 サプリ おすすめん!」
 ダンベルなんて高価なものはないので森から調達した岩を上げ下げする。最初は手のひらサイズの岩でぜいぜいと息を切らせていたが、今は自分の上半身くらいの大きさの岩も軽々とはいかないが持ち上げることができる。
「ふんふんふんふんふんふん!」
 ランニングもなんのそのだ。村の外周10周くらいは朝飯前だ。
「ふんーっ!!」
 ブシャァアア!
 ミモザはりんごを両手で握り、気合を入れマカ サプリて握りつぶした。コップの中へとばらばらと落ちていくのを見守り、コップを掴むとそのまま豪快に天然100%りんごジュースをごくごくと飲み干す。
「ぷはぁっ!最高の気分だ!」
 実に清々しい。
 筋肉を身につけてからのミモザは内面が明るくなるのを感じていた。自信がついたのだ。
「力こそパワー!筋肉は裏切らない!!」
 きゃっきゃっとはしゃぎながらミモザは森へと繰り出した。
 ちなみにこの3ヶ月間、レオンハルトの来訪は一度もない。

 どうしてこうなったのだろう。
 だらだらと脂汗を垂らしながら、数時間前の浮かれていた自分のことをサプリメント マカミモザは嘆いた。
 ミモザの目の前には今、
「ウルルルルゥ!」
 低い唸り声を上げ、両腕を挙げて威嚇する熊型の野良精霊がいた。

 途中まではいつも通り順調だったのだ。
 森の浅瀬でここ最近ですっかり慣れ親しんだうさぎ型の野良精霊と戯れ、一月前あたりから攻略を開始した森の半ば周辺で犬型の野良精霊を狩る。
 12匹ほど狩り、のんびりと魔導石の採取をしていたところで異変は訪れた。
 まだミモザが足を踏み入れたことのない森の奥の方から大量の野良精霊が現れたのである。
「は?」
 驚きつつも身構えるミモザのことを、しかし彼らは無視して通り過ぎていった。
 まさに台風一過、土埃を巻き上げて彼らは去って行った。
「一体なんだったんだ?」
 その勢いに気押され走り去る姿をすっかり見送ってから、ミモザは呑気に彼亜鉛 サプリらが走って来た方角を振り返りーー、
 そこに3つの紅い目を光らせどす黒いオーラを身にまとい、仁王立ちをしている巨大な熊の野良精霊の姿を見た。
「………え?」
 そして今、話は先ほどの場面へと戻る。
 突然現れた大物に、ミモザはメイス姿のチロを握りしめて立ち尽くしているのであった。
 
(というかこいつ、ゲームのイベントで登場する中ボスでは?)
 その明らかに狂化個体である熊を見て思う。確かステラ達が最初の試練の塔に向かう途中に現れる序盤の中ボスだ。
 さて、ステラ達は一体どうやって倒していたんだったかと考えている間に、
「グアアラァ!!」
 その熊の野良精霊は挙げていた両腕をミモザに向かって振り下ろしてきた。
「………っ!」
 慌てて後ろに飛び退き避ける。
「このっ!」
 ちょうどミモザが避けたせいで熊は両腕を地面につくような姿勢になり隙ができた。それを見逃さずミモザはメイスを横殴りにその顔面へと叩きつける。
「……っ!?かったい!」
マカ サプリ しかしそれは骨に当たる鈍い音を立てただけで終わった。熊の頭は確かに殴ったはずなのに向きを変えることもなく、紅い目がぎょろりと動いてミモザを睨む。
 そのまま頭を一瞬低く下げると下からすくい上げるようにしてミモザのことを頭突きでメイスごと吹っ飛ばした。
 身体が宙に浮く。熊は飛んだミモザがどこに落ちるのか確認するようにこちらを眺めていた。
 このままでは川から跳ね上げられた魚のように美味しくいただかれてしまう。
「このやろう」
 ミモザは悪態をつくとメイスを振りかぶり棘を伸ばして少し離れた木へと刺す。そのまま棘を縮めると刺さった木に吸い寄せられるようにして枝の上へと着地した。
「ウルルルルルルルッ」
 大人しく落ちて来なかったことに怒ったのか、唸りながら熊はミモザの着地した木の幹へと突進した。何度も頭を打ちつけてくるたびに幹は悲鳴を上げ折れるのも時間の問題だろう。
(うへぇ、どうしようかな)
 とうとうバキィと小気味良い音を立てて木は真っ二つに折れた。
 熊はこちらを目掛け大きな口を開けて歓喜の咆哮を上げる。
 ミモザはといサプリメント マカうとメイスを足場にするように自身の身体より下へと向けるとそのまま棘を伸ばし、落下速度と全体重をかけてその棘を熊の口の中へと突き刺した。
 さすがに口腔内はそこまでの強度がなかったらしい。熊は直立したような姿勢で串刺しとなり、しばし蠢いたのち絶命した。
「うわー、えぐー」
 足元に広がる光景に自分でやっておきながらミモザはちょっと引いた。
 地面へと飛び降りるとチロをメイスから鼠へと戻す。
「これ、やっぱりイベントの奴だよなぁ、なんだってこんなタイミングで。フライングなんてレベルじゃ……」
 言いかけてハッとミモザはあることに気がついた。
(これ、倒して良かったのか?)
 本来なら姉が3年後に倒すべき相手である。
(ストーリーになにか影響があったら……)
 ミモザは元々のストーリーを頼りに対策を打っているのである。もしチロの狂化のように今回の件で何かが早まってしまうとそれだけでミモザの修行が間に合わなくなってしまう可能性がある。
「ど、どうし…」
 よう、と言いかけて、ミモザの言葉は途切れた。
 何故ならがさがさと草むらが不穏な音を立て始めたからである。
 ミモザはその草むらの動向を見守った。
 がさり、と一際大きな音を立てると何かがでてくる。
 それは先ほど倒したのと同じ、紅いポリ ペプチド目が3つあるどす黒いオーラを放った熊だった。
 全部で10匹くらい居た。
サプリメント マカ亜鉛 の サプリゴーヤ

「精霊とのポリ ペプチド

「精霊との親和性が高いということはどういう亜鉛の効果ことかわかるか?」
 故郷の森で、昼食のサ亜鉛 の サプリンドイッチを頬張りながらレオンハルトは聞いてきた。
 ミモザもその隣に座ってサンドイッチを食べながら首をひねる。
「精霊との親和性が高いとその分意思の伝達がスムーズクロムの効能になる。つまり、技を出す速度が速く、そしてコントロールが緻密にできる」
 ミモザが何かを答えるよりも早く正解は示された。彼はこういうところがある。少しせっかちなのだ。
「ーーとはいえ、速度などコンマ数秒の差だがな、しかしそのコンマ数秒の差が勝負の世界では命運をわける」
「つまりそれが僕の強みですか?」
 そうだ、と彼は頷く。
「メイスといdha epaうのは本来、致命的な弱点があるんだがそれが何かわかるか」
「うーん、重い?ってことですか?」
「そうだな、重くてでかい。だから攻撃が大振りになって軌道が読みやすく、一撃は重たいが攻撃した際に隙ができる。だから攻撃を避けられてしまうとその隙を突かれる」
 そこでレオンハルトは一度言葉を切ると、射抜くように鋭い視線でミモザを見た。
「しかし君のメイスは違う」
 息を呑む。今、レオンハルトはミモザのことを弟子としてではなく対等に戦う相手として分析しているのだとわかった。重苦しい敵意がミモザの全身を突き刺す。
「棘があるだろマカ と はう。ただでさえ親和性の高さゆえに早いのに、その上0から生み出しているわけではないからさらに予備動作なしで棘がつき出てくる。振りかぶったり振り下ろしたり、本来なら隙になる動作をしていてもその姿勢から変幻自在に棘を伸ばして攻撃できる。つまり君の武器は近接戦闘においては最強レベルだ。下手をすれば、俺でも負ける可能性がある」
 その時のレオンハルトはミモザを仮想敵としてどう相手取るのがいいかを考えていたのだろう。聖騎士になるということは彼を倒すということでもあるのだとミモザはその時初めて実感を伴って理解した。
 この目の前の最強の騎士の恐ろしさを。
 ーーつまり、どういうことかというとミモザは、

 近づけなければ勝てないのである。

(やべぇ)
 ミモザは冷や汗をかいていた。
 正直舐クロムの効能めていたのだ。ステラには一度卒業試合で勝っていた。だから今回もうまくやれば勝てるだろうと思っていた。
(甘かった)
 ちっ、と舌打ちをする。ミモザの足元には白銀の氷が無数に広がり、徐々にその機動力は削がれていっていた。
 前回の試合、あれでおそらくステラは学んだのだ。ミモザに距離を詰めさせてはいけないと。そしてしっかりと対策をとってきた。
「……くっ」
 光線銃が放たれる。避けるミモザの足元を目掛けて氷の破片が突き刺さった。それから逃げようと更に足を踏み出すが、地面が氷に覆われていて足の踏み場がないことに気づき、ミモザはメイスでその氷を破壊してすんでのところで回避する。
 そうこうしている隙にステラの光線銃のチャージが完了してしまう。涼しい顔をして立つ彼女の周囲にはストックの氷の破片が次々と補充されつつあった。
 これである。
 彼女の底なしの魔力から次々と補充されていく魔法攻撃のストックが減らないのだ。これにより間髪入れdhaない攻撃が続き、防戦一方のミモザは接近することができない。
 それだけなら持久戦で相手の魔力が尽きるのを待つという手がミモザには使えるが、故意か偶然か、彼女はそれを封じるように足場を凍らせてミモザの逃げる場所と体力をじわじわと削り取ってきていた。
 逃げる場所がなくなるか、氷に足を取られればミモザの負けである。
(どうしよう?)
 また光線銃が飛んでくる。ミモザはそれをかろうじて避ける。その足元に再び氷が突き刺さる。
「くっそ……っ」
 棘を伸ばして攻撃を仕掛けてみるが軽いステップでそれは簡単に避けられた。やはりミモザの攻撃は遠距離では効果を発揮できない。
 一応ミモザにも一般的に誰にでも使える衝撃波を放つという遠距離攻撃はある。しかし魔法の撃ち合いになればMPが先に尽きるのはミモザである。正直ステラ相手では勝ち目がない。
 では一度後方に下がって遮蔽物を利用して背後から近づき不意打ってはどうか、と考えて周囲を見渡すが、周りには岩が点在するのみで岩と岩の間を移動する姿が見られてしまうため、不意打ちは困難そうだ。
 防御形態であれば攻撃を防ぐことだけはできる。しかし防御形態は強力マカ と はではあるが止まった状態でしか使えないという欠点があり、これも接近する手段には使えない。
(なら……っ)
 ミモザはチロを防御形態へと変える。ミモザの前方に攻撃を防ぐように棘の突き出した半球状の盾が現れた。
「あら?もう降参?」
 それを見てステラはふふっと花のように笑う。その青い瞳が喜びに輝く。
「いいのよ、ミモザ。貴方はわたしよりも弱いんだから」
 ステラがミモザを断罪するようにレイピアを突き出して見せる。氷の破片が狙いを定めるように前方へとぐっと寄った。
「強がらなくて、いいのよ」
 言葉と共に、光線銃が放たれた。
「……ぐっ」
 ミモザの盾はなんとかその攻撃を耐え忍んだ。そしてステラが次に氷の破片を放つその前の一瞬の隙に、
 ミモザは防御形態のまま、その棘を伸ばした。
「………っ!?」
 ステラはそれを避ける。しかし動揺したのか本来ならミモザ目掛けて放たれるはずの氷の破片は明後日の方向へと飛んでいった。
 それを待っていた。
 正直防御形態での棘の伸縮など普通の攻撃よりも射程範囲が狭く貫通力もない、ただの一発芸みたいなものだ。しかしその一発芸でステラは今、光線銃も氷の破片もストックがない状態へと陥っていた。
「うおおおおっ!」
 雄叫びを上げてミモザはステラへと突進する。ステラが魔法を生亜鉛成する前、その前に近づければミモザの勝ちだ。
(間に合え……っ)
 あと数歩でステラにメイスが届く、そのタイミングで、
「……っ、くそっ!!」
 ミモザはメイスで氷の破片を弾いた。次々と氷の破片がステラを守るように囲み、ミモザの元へと飛来する。ミモザはそれを弾きながら後退するが、
「………っ!」
(しまったっ!)
 間に合わなかった。その動揺が足に出た。ステラがそこら中に張り巡らしていた氷の残滓に足を取られてミモザはよろめく。
 それを見逃すステラではない。
「行け!」
 ステラの鋭い声とともに、氷の破片がミモザへと目掛けて発射された。
「ーーーっ!」
 ミモザは体勢を崩しながらも致命傷だけは避けようとメイスを前に突き出した。氷の破片が突き出したミモザの手に当たるかと思われた次の瞬間、
「………え?」
 目の前に土の壁ができていた。
 ミモザの隠れた魔法属性が危機に反応して目覚めたーー、わけがない。
「もういいでしょう」
 その爽やかな青年の声はミモザの背後から響いた。
「単なる兄弟喧嘩なら放っておきますが、犯罪行為の隠蔽を暴力によって強要する行為は見逃せません」
 整えられた黒髪が風に揺れる。真っ直ぐな黒い瞳ははっきりと非難の意味を込めてステラのことを見据えていた。
 ジーンである。
 彼は手にした剣を構えながら尻もちをついたミモザを庇うように前へと歩み出た。
「ミモザさんは確かに金髪美少女らしからず、品性の欠片もないことを言うしやるし奇行に走りますが、けれど道理に反したことは致しませんアントシアニン
 ジーンはその剣の切先を敵意を示すようにステラへと向ける。
「貴方も同じく金髪美少女らしからぬ方のようですが、ミモザさんの方がよっぽどましです」
「…………」
 ミモザはいろいろと言いたいことはあったが、空気を読んで黙っていることにした。
マカゴーヤ チャンプルーアントシアニンの効果

 轟々と風が吹いdha

 轟々と風が吹いている。
 そこは険しい岩山だった。周ゴーヤ囲は鋭く尖った岩アントシアニンばかりが転がりその合間合間、申し訳程度にわずかに木や草が生えている。
 1人の少女がいた。陽の光を反射するハニーブロンドの髪をショートカットに切り揃えサファイアのように青く透き通った瞳を静かに伏せて遠くを見据アントシアニンえている。
 彼女の視線の先は崖の下。そこには数十、下手をしたら百を超えてしまいそうな数の猪の姿をした野良精霊がうじゃうじゃといた。
「うえー」
 少女は見た目にそぐわぬうんざりとした声でうめく。
「謎の大繁殖だそうだ。以前の熊の狂化同様の異変だな」
 彼女の背後から現れた美丈夫が腕を組んでそう告げた。そのまま彼女の隣へと並び野良精霊の群れを検分するように眺める。その視線は険しい。
サプリメント マカ よく見ると彼らの背後には教会に所属する騎士と思しき白い軍服を着た人々が控えていた。皆一様に緊張の面持ちで前方の2人を見守っている。
 この場で白い軍服を着ていないのは少女だけだった。
 さらり、と男の藍色の髪が風に流れ、黄金の瞳が横目で彼女のことを捉えた。
「行けるか」
「はい」
 少女はそう明瞭に答えると懐から両手いっぱいの鈴を取り出した。そしておもむろにそれをジャンジャカと目一杯振りながら踊り狂い始める。
 その眼差しはーー本気だ。
「……何をやっている」
「これは、ですね!勝利の確率を高めるおまじないの舞を舞亜鉛 の サプリっています!」
「そうか。それはあとどれくらいかかる?」
「えっと最短であと3分くらい、」
「行ってこい」
「あー!」
 言葉の途中でレオンハルトに背中を蹴飛ばされミモザは声をフェードアウトさせながら崖を滑り落ちていった。
 そのあまりにも無情な行為に周囲は総毛立つが当のミモザはといえばおもむろに自身の精霊を防御形態へと変えるとそのお椀型の結界をまるでそりのように崖へと滑らせその上へと華麗に着地した。そのままスノーボードのように精霊の群れへと向けて崖を滑り降りてゆく。
「すぐにー戻りまーす!」
 そのぞんざいな扱いにあまりにも慣れた様子は周囲の同情を誘うには十分だった。

 その一刻後、ミモザの周囲は猪の遺体だらけとなっていた。血みどろになった服を撫でつけてみるが当然それで血が落ちるわけがない。
ゴーヤ「よくやった、ミモザ」
 いつのまにか近くに来ていたレオンハルトがそう言って褒めるようにミモザの肩を叩いた。
「血が付きます」
「ん?ああ、別にいいさ。君がやってなかったら今頃俺がそうなってる」
 そう言うとレオンハルトは遺体の検分に入った。他の騎士達もぞろぞろと現れてにわかに騒がしくなる。
「狂化個体は確認できません」
「大量の巣穴が確認できました。共食いの形跡があることからも急激に増殖が起こったものと思われます」
「……これまでの異常と同じ、か。少しでも不自然な痕跡がないか調べろ。人が踏み入った形跡がないか、他所から群れが移動してきた可能性はないかを特に重点的にな」
「はっ」
 レオンハルトの指示に一度報告に訪れた面々が再び散っていく。
「まぁ、これまで同様、期待はできんがな」
 レオンハルトは難しい顔で腕を組んだ。

 この世界でお金の単位はガルドという。ミモザの感覚では概ね1ガルドは1円とdha epa dha同等くらいだ。
「今回の手伝いの報酬だ」
 そう言ってレオンハルトはミモザに金貨を渡した。渡されたのは小金貨だ。小金貨は一枚約1万ガルドである。それが3枚。3万ガルドだ。
(結構儲かるなぁ)
 命がかかっていると考えると安いが、1時間の労働に対する報酬としては高い。
 ちなみにこれは相場からすると安めである。理由はこれは本来ならレオンハルトに下された任務であり、ミモザは修行の一環として代行しているという立場だからである。レオンハルトは時々こうしてミモザに経験を積ませるためのアルバイトを持って来てくれる。
 このお金は一応教会から、ひいては大元の国からレオンハルトに対して出る予定らしいが、支給されるのはまだ先のためレオンハルトのポケットマネーから先払いでもらっている。
 要するに、これはレオンハルトからのお小遣いである。
「戻るか」
「よろしいのですか?」
 まだ探索中の他の騎士達を見てミモザは首を傾げる。それにレオンハルトは肩をすくめてみせた。
「もう一通りは確かめたし仕事はこれだけじゃない。後は彼らに任せて俺は次の仕事にうつる」
「おーおー、じゃあ俺もご一緒さサプリメント マカせてもらおうかね」
 そこに新たな声が降って湧いた。レオンハルトはその声に眉をひそめる。
「ガブリエル」
「よう、聖騎士様。お前さんが働き者なおかげで俺はサボれて嬉しいぜ」
 ガブリエルと呼ばれた男は30代半ばほどの男だった。濃いブラウンの髪と瞳にやや浅黒い肌をした色男だ。皆と同じ白い騎士装束をやや着崩している。しかしその肩にかけられたマントと勲章が彼が高い地位の人間であることを示していた。
「重役出勤とはさすがだな」
「そうツンケンするなよ。お兄さんにも色々と仕事があってだなぁ……。そっちのお嬢さんが噂のお弟子ちゃんか?」
 彼は口の端だけをあげてニヒルに微笑んだ。
「俺はガブリエル。姓はない。ただのガブリエルだ。これでも教会騎士団団長を務めている」
 手を差し出される。
「よろしくさん」
 握り返した手のひらは厚く、戦士の手をしていた。
アントシアニンdhadha

 記者達がすポリ ペプチド

 記者達がすし詰dha epaめ状態になりながらも、その姿を絵と文字に写すために必死に筆を走らせマカていた。その中心にいるのはオルタンシア教皇聖下とレオンハルトである。
 ここは中央教会の中庭である。ミモザはその光景を教会の回廊の柱の陰からこっそりと覗いていた。

 あの時、決着は一瞬でついた。
 ロランの雷とレオンハルトのアントシアニンの効果炎のぶつかった光が収まると、そこに立っているのはレオンハルトであった。
「うぐぅ……」
 ロランは苦しげにうめきながら、しかしまだ抗おうとなんとか手で地面をつかみ、膝を立てる。
「やめておけ」
 レオンハルトはそんな彼に近づくとその首筋へと刃を突きつけた。
「そのていたらくでは抵抗するだけ無駄だ。貴方には色々と聞きたいことがある。ご同行願おマカ と はう」
 その瞬間、ロランはニヤリと笑い自分の胸元へと手を伸ばし、ーーその手をレオンハルトに蹴りつけられて仰向けに転がった。
 すかさずそれ以上動けないようにレオンハルトがロランのことを押さえ、胸元を探る。
「レオン様」
「どうやら自爆装置のようだな。小規模だが爆発物が仕掛けられている」
 息を呑む。すぐにレオンハルトはその装置の動力と思しき魔導石を取り除き、ロランを昏倒させた。
「よくやった、ミモザ。謎の多い保護研究会の一員を捕獲できたのは大きな収穫だ」
「死傷者はその方を除けば0名です」
クロムの効能素晴らしい」
 レオンハルトが立ち上がる。褒めるようにミモザの肩を叩いた。ミモザは先ほどまで背にかばっていた3人を振り返る。3人とも惚けたような、本当に終わったのか疑うような表情で立っていた。
 ミモザも同じ気分だった。

 そして本日、いろいろな事について世間への報告が一通り済み、後始末が終わったあとで会談が行われることになった。
 一体誰と誰の会談か。答えは簡単だ。
 教皇聖下ならびにレオンハルトと被害者遺族の会の代表との会談である。
 今はその前座として、彼らはレオンハルトの用意した『ある物』を見に来ていた。
「これは……」
 その『ある物』を見て、ジェーンはそれ以上何も言えずに立ち止まる。
 レオ亜鉛 の サプリンハルトは風を切って歩くと、その『ある物』の目の前でかしずいた。
 それは慰霊碑だった。巨大な白い大理石が天高く伸び、そこには細かく何事かが刻まれている。よくよく見るとそれは人の名前のようだった。数えきれないほどの数の人の名前が刻まれ、そして少しの空白の後、その勇敢さを讃えると共に安らかな眠りを祈る言葉でその文字列は締め括られていた。
 塔の試練で命を落とした者たちの名前が刻まれているのだ。
 レオンハルトは慰霊碑へと向かい何事かを静かに伝え、そして手に持っていた白百合の花束をそこへ丁寧に供えた。
 そうして立ち上がるとジェーンを振り返る。
「どうかジェーン様もこちらへ。…手を合わせていただけませんか」
「これは……、これは、どういう……」
「申し訳ありません」
 神妙な顔でレオンハルトは謝罪した。
「彼らは俺の救えなかった方々です。魂を鎮めるために、そして俺の力不足を忘れないために、名を刻ませていただきました」
 力無く首を横に振る。
「彼らはゴーヤ チャンプルー本当なら、今頃俺たちの同僚となっていたはずの勇敢な騎士達です」
 その言葉にジェーンは、ハッと顔を上げた。レオンハルトの方を見ると、彼は悔しげな表情を隠すようにうつむく。
「彼らの死を、悔しく思います。もちろんエリザさん、……貴方の娘さんの死も」
「ああ……っ!」
 ぼろぼろとジェーンは涙を流した。その口は小さく動き、「エリザ、エリザ」と娘の名を呼んでいるのがわかる。その泣き崩れる背中をレオンハルトは無言で支えた。
 長い時がかかり、やっとジェーンは顔を上げた。その目は真っ赤に腫れている。その間ずっと急かすこともなく背を支えていたレオンハルトに手を取ってもらい、彼女はやっとのことでその慰霊碑の前へとたどり着いた。そのままゆっくりとうずくまるようにこうべを垂れる。その手は合わされ、祈りを捧げていた。
「ありがとうございます、レオンハルト様」
 やがて、ぽつりと声が落とされた。
「ありがとうございます。ありがとう、ごめんなさい、ごめんなさい……」
 再び泣き崩れるジェーンのことを、報道陣からかばうようにレオンハルトが肩を支え、教会の中へと導いた。
 その様子をしっかりと記者達は亜鉛絵に描き、文字に起こしているようだった。

「たいしたパフォーマンスだね」
 ふいにミモザに話しかけてくる声があった。振り返った先にいたのは新緑の髪に深い森の緑の瞳を持つ青年、マシューだった。
「ええと…」
「マシューだよ」
「マシュー様」
 ミモザのそんな様子に諦めたようにため息をつき、「別にいいけどね、緊急事態だったし、僕は裏方だし?」とマシューはぶちぶちと言う。
 一通り愚痴って満足したのか、こちらを真っ直ぐに見つめると、彼は頭を下げた。
「申し訳なかった」
「あの…?」
「やり方についての指摘はごもっともだった。あれは最低な行為だ。今後はもうしない」
「してもいいですよ、別に。言ったでしょう、僕も悪いことをする人間です」
「しない。もうそう決めたんだ」
 何かを切り捨てたような顔で彼は言った。何かを失ったようなのに、その表情はどこか清々しい。
「でも塔の運用に関しては、もっと改良できると思ってる。だからこれからも活動はするよ。今度は正攻法で、もっと視野を広げた現実的な案を模索する」
「……はぁ」
 正直それを自分に言われても、とミモザは困る。眉を寄せるミモザのことをマシューは軽く睨んだ。
「でもまぁ、あんたも大概酷かったから、お互い様だとは思ってるよ」
「そうですか」
 はぁ、とマシューはため息をついた。
「あんた、つくづく俺に興味ないのな。まぁいマカ と はいや」
 じゃあな、とマシューは踵を返す。ジェーンの元に向かうのだろう。彼は作戦参謀のはずだ。
 ああ、と言い忘れたことがあることに気がついて、ミモザは「マシュー様!」と呼び止めた。
「パフォーマンスじゃありませんよ」
「え?」
「さっきの」
 慰霊碑を示してみせる。
「あれは儀式です。ご家族の死に向き合うための」
 本当にあれで向き合えたかどうかは知らないが、それなりに効果のありそうな反応ではあった。
 マシューはミモザの言葉にわずかに目を見張ると、「そうかよ」と頷いた。
「なら、俺もあとで拝んでやってもいいかもな」
「ぜひ、どうぞ」
 ミモザは微笑んだ。
「他の仲間の方々もぜひ、ご一緒にお越しください」
 教会の中庭にある慰霊碑だ。訪れるだけで自然と交流が生まれるだろう。
 人は『顔見知り』には優しくなるものである。
 これは教会と被害者遺族の会が『なあなあな関係』になる足がかりになるだろう。

「なに?」
 その報告にレオンハルトは不機嫌そうに眉をしかめた。報告に来た騎士はびくりと身を震わせる。
「それは確かなのですか?」
「は、はい!」
 オルタンシア教皇の問いかけに、彼は頷く。
「今朝未明、保護研究会過激派の幹部を名乗る老人の姿が、牢の中から忽然と消えました。おそらく……」
 騎士は緊張と畏怖でひりつく口内を少しでも潤すように唾を一つ飲み込んだ。
「脱獄したものと思われます」
 その瞬間放たれたレオンハルトの威圧感と怒気亜鉛 サプリ おすすめに、年若い騎士は失神してしまいたいと切に願った。
クロムゴーヤdha

 チロを構える。そ亜鉛 の サプリ

 チロを構える。そのまま大きく振りかぶると、目の前にいる敵へと向かっゴーヤ チャンプルーてー……、
(違う……っ!!マカ)
 直前でミモザは理性を取り戻した。しかし振りかぶった手の制御がきかない。目の前の景色がチカチカと赤と白に明滅を繰り返す。
「……っ、お前は僕のものだろうが……っ!!」
 あまりの怒りにミモザは怒鳴っていた。その瞬間、身体のコントロールがミモザの手のマカ サプリ内へと戻る。
「うんん……っ!」
 唸る。モーニングスターメイスの無数にある棘のうちの一つが振った勢いに合わせて槍のように伸び標的を突き刺そうとするのをーー、
 直前でその軌道を無理やりずらした。
「……っ」
 息を呑む。棘はレオンハルトの脇に生える木を貫いた。
 それにレオンハルトはわずかに眉をひそめただけだった。おそらく直前で軌道が変わり、自身に当たらないことを悟ったのだアントシアニンの効果ろう。微動だにせず、けれど油断なく剣を構えて立っていた。その身体からは適度に力が抜けており、どこに攻撃を仕掛けてもすぐに対応されてしまうであろうことが素人のミモザでもわかった。
 その場に沈黙が落ち、膠着状態に陥る。
 ふっふっ、と荒い息を漏らしながら、ミモザは身体を支配しようとしていた狂気が引いていくのを感じていた。
「君はーー、」
 レオンハルトの声にびくりっ、と身をすくませる。
「ち、違うんですっ、いや、違わないんですけどっ、違くてっ、あの、襲うつもりなんてこれっぽっちも……っ」
そこまで半泣きで言ってから、棘がクロムの効能まだ木に突き刺さったままなことに気づき慌ててそれを戻す。
「あのっ、ごめんなさいっ!!」
 そのまま敵意がないことを示すために頭を深々と下げた。
 顔を上げられない。
(どうしよう……!)
 涙が溢れた。
(怖い)
 アベルなど比較にもならない。そこには圧倒的な強者がいた。
 その気になればミモザのことなど赤子の首をひねるように殺すことができるのだと、本能でわかる。
(いや、おそらく殺されはしない)
 心の中で必死に言い聞かせる。殺されはしない。相手は聖騎士である。殺人鬼ではない。
 けれど捕まってはしまうだろう。または処置としてチロを取り上げられてしまうかも知れない。
 守護精霊との接続を切り離すことは原則禁止だが、狂化個体に関しては適切な処置として行われることがあった。
「ふむ、自力で抑え込んだか」ポリ ペプチド
 その声音には面白がるような感心するような響きがあった。彼はそのままミモザの近くに散らばる野良精霊の遺体を見て目を細める。
「いい腕だ。教会に引き渡すのは惜しいな」
 その言葉に思わずミモザは顔を弾かれたように上げる。
 その顔は恐怖と涙でぐちゃぐちゃだ。
 彼は悠然とミモザを見返すと、顎に手を当て思案するように首を傾げた。
「君、一生その狂気と付き合う気はあるかい?抑え続ける自信は?」
 にっこりと微笑んで、彼はまるで明日の天気でも尋ねるような調子でそう問いかけた。
 その笑顔はとても爽やかで整っているのに、ミモザには何故か悪魔の微笑みに見える。
 しかしこの悪魔に気に入られなければ未来がないことだけは理解できた。
「あります!」
 食い入るように答える。
「……素直に教会で『処置』を受けた方が楽だぞ。一生自らの業に振り回されて苦しみ続けることになる」
「それでも……」
 ぐっ、と唇を噛み締める。
「それでもいいです。自マカ と は分のこの、感情を手放すくらいなら」
 きっとチロを手放せばそれと引き換えにミモザはこの憎しみも妬みも投げ出せる。
 しかしそうした時のミモザは果たしてこれがミモザ自身であると自信を持って言えるだろうか。
 チロはミモザ自身だ。ならばチロを失ったミモザはもう元のミモザではないだろう。
 嫉妬も報復も、元々愚かな選択なのは重々承知だ。
「いいだろう」
 レオンハルトは満足げに頷いた。
「見逃してやる。君は自由だ」
 その言葉を聞いた途端、ミモザの体から一気に力が抜けた。しかし疑問は残る。
「……なぜ、」
「わからないか?君にならわかるはずだ」
「……?」
 そう言われてよくよく目を凝らす。レオンハルトは何も隠すことはないというように剣を翼獅子の姿へ戻すと両手を広げてみせた。
 その姿はどこからどう見ても愛想の良いただの美形だ。
 立っているだけできらきらしい。
 けれどミモザは歪みにも似た違和感を覚えた。
「あなたは、」
「うん?」
「あなたも、狂気に囚われているのですか?」
 肯定するように彼はにやり、と笑った。金色の目が肉食獣のような獰猛さで輝く。
 そしておもむろに右目を覆う前髪を手でかサプリメント マカきあげた。
「……あ」
 そこには右目全体を潰すように火傷のような傷跡があった。まつ毛もないその右目の瞼がゆっくりと開かれる。
 ぎらぎらと輝く紅の瞳が真っ直ぐにこちらを射抜いた。
 慌てて翼獅子を確認する。しかし彼のオーラはまばゆいばかりの白色で、特に黒い塵のようなものは混ざっていない。
 しかしそれなのに何故かわかる。目の前の彼が自分と同類なのだと。
 そこにはシンパシーのような運命共同体に出会ったかのような何かが確かに存在していた。
「これをやろう」
 差し出されたのは彼の髪を結っていたリボンだ。黒色のビロードで出来たそれは黄色く透き通った石と、それを守るように描かれた黄金の翼獅子の刺繍がされたいかにも高価そうなものだった。それを外した途端に彼の翼獅子からは黒い塵が濃密に噴き出し、その瞳が赤く染まる。
 ミモザはその光景に目を見張った。
 彼は苦笑する。
「これについている宝石は実は魔導具の一種でね。幻術を見せる効果がある。大したものは見せられないが狂化の兆候を誤魔化すくらいの効果はある」
 ミモザは戸惑い、逡巡した。正直に言えば喉から手が出るほど欲しい。これがあれば今後の憂いが大きく減るのは間違いなかった。けれど、
「でもこれがないと貴方が……」
「ああ、俺は家に帰れば予備がもう一つあるからいいんだ。それよりもこれがないと君はすぐに亜鉛の効果でも捕まってしまうよ」
 どうにも詐欺にも似た怖さを感じる。
 しかし悩みながらも結局ミモザはおずおずと手を伸ばしてそれを受け取った。
 その様子にレオンハルトは目を細めて微笑む。
「いいこだ。これがあれば同じように狂化した相手以外は騙せるだろう。狂化した者同士はなんとなく感じ取れてしまうのだよ。困ったことにね」
「……どうしてこんなによくしてくださるのですか」
「君には才能がある」
 間髪入れずに言われた言葉にミモザは目を見開いた。
「君は精霊との親和性が高いな。それは精霊騎士を目指す上ではとても素晴らしい才能だ。そしてその上で狂気に引きずられない意志の強さがある。正直感情のままに狂気に飲まれるようなら教会に引き渡すつもりだったよ。けれどコントロールできているなら誰に迷惑をかけるわけでもない。わざわざ取り締まる必要性を感じないな」
「………」
 その言葉を聞きながらもミモザの疑心暗鬼は収まらなかった。それをレオンハルトも察したのだろう。「そう警戒してくれるな」と苦笑する。
「……まぁ、共犯者の優遇だよ。俺も人間だからな。判断基準はわりと不公平なんだ」
 そう告げると彼はミモザを安心させるようにおどけた仕草でウインクをしてみせた。
「では、俺はこれで失礼するよ。せいぜいバレないように気をつけるんだな、検討を祈る」
 パッと手を上げて颯爽と身を翻す姿は潔く、どこまでも爽やかだ。
 しかしその身と守護精霊から噴き出す濃密な闇の気配がそれを裏切って禍々しい。
「え、えっと……」
 亜鉛 の サプリミモザは焦る。
 彼は恐ろしい。自分の命を簡単に脅かすことのできる存在への恐怖は拭えない。ーーけれど、
「待ってください!!」
 気づけばミモザは彼を引き止めていた。彼は怪訝そうな顔をして振り返る。
(……う、)
 ミモザなど比較にならないほどの濃密な黒い塵の濃度と威圧感に身がすくむ。
「あ、あの……」
 ごくり、と唾を飲む。恐ろしい。恐ろしいがこれを逃したら、きっとミモザに次のチャンスはない。
「ぼ、僕を貴方の弟子にしてくだひゃいっ!」
 ミモザは盛大に噛んだ。
クロムマカクロムの効能クロム

 そこには美しい麗マカ サプリ

 そこにはマカ サプリ美しい麗人が立亜鉛の効果っていた。
 背中まで真っ直ぐと伸びる銀の髪に月光を集めたかのように輝くやや吊り目がちな銀の瞳、その身に真っ黒な軍服を纏う彼女は確かに美人だった。
 そして巨乳でもあった。
 ぽかん、とミモザは口を開けたまま固まる。そクロムんなミモザに彼女は再度にこりと笑いかけた。
「好きかしら?」
 その凄みのある笑顔に思わずミモザはこくこくと頷く。まぁ好きか嫌いかで言うと好きなので嘘ではない。
 彼女のたわわに実った胸を見て、それから自身の胸を見下ろした。12歳のミモザは年齢相応につるぺただった。
(悲しい)
 ついでに言うと双子にも関わらずステラの方がミモザよりも胸は大きかったりする。つまりミモザは胸のポリ ペプチド大きさでもステラに負けている。
(悲しい……)
 ずんと暗い表情で沈むミモザの頬を、チロは慰めるように両手で撫でた。そんな落ち込むミモザの姿を見て、女性はにんまりと微笑む。
「ねぇお嬢さん。わたくしに弟子入りをすれば、巨乳になるコツを教えてあ、げ、る」
「それって、ぐぇっ」
 その魅力的な提案に思わず釣られかけたミモザの襟首を掴んで引き止める手がある。レオンハルトだ。
 彼はミモザのことを猫の子のように襟首を掴むと、ずりずりと自分の元へと引きずり寄せた。
「人の弟子をくだらない方法で勧誘するのはやめてくれないか。マナー違dha反だ」
 じろりとその女性をにらむ。
「あらん、貴方のことだから弟子なんて使い捨て程度に思ってるかと思ったら、案外可愛がってるのね」
「さてな」
 女性の揶揄にレオンハルトは素知らぬ顔で応じる。
 2人の目線の先にばちばちと幻の火花が見えた。
(うーん?)
 ミモザは首を傾げる。彼女の服装、あれは王国騎士団の制服である。教皇が王国騎士団の制服を着ているわけがないから彼女はきっとオルタンシア教皇ではないのだろう。その時、彼女の横に立つ少年と目が合った。さらさらの黒髪をきっちりと切り揃えた少年はその黒い瞳を細めて爽やかに笑いかけてきた。
 年齢はミモザと同じくらいだろうか。清涼飲料水のCMに出れそうなくらいの爽やかさだ。
 しばらく待ってみたが両者の睨み合いが終わる気配がなかったため、ミモザは少し考えてから口アントシアニンの効果を開いた。
「レオン様は巨乳はお嫌いですか?」
「……巨乳はともかくあれはただのゴリラだ」
 憮然とした顔でレオンハルトは応じる。
「ひどいわゴリラだなんて。なんか言ってやってよ、ジーン」
 彼女は隣の爽やか少年に声をかける。彼は笑顔を崩さないまま答えた。
「先生がゴリラなのは否定できませんが、それはともかく僕の常識では金髪美少女は巨乳なんて単語は言わないので今の発言は聞かなかったことにします」
「おいおい全員クセが強すぎるぜ。まともなのは俺だけか?ちなみにお兄さんは胸より尻派だ」
「誰がお兄さんよ、ずうずうしい。おじさんの間違いでしょう?」
「あーん?自己紹介か?お、ば、さ、ん」
「いやぁ、元気なのはいいことですね」
 不毛な4人のやり取りを新たな声が遮る。それは静謐で落ち着いた男性の声だ。
「ですが皆さん、私の存在をお忘れではないでしょうか?」
 紫がかった黒髪をオールバックに撫でつけ、す亜鉛みれ色の瞳をした壮年の男性が実は女性の背後に隠れていた執務机に腰掛けていた。
 元々細い目をさらに細めてにっこりと微笑んで、彼は「そろそろ本題に入りましょうか」と厳かに告げた。
 どうやら彼がオルタンシア教皇聖下らしかった。

「報告は以上です」
 ガブリエルは真面目くさった顔でそう締めくくった。それに教皇はうんうんと穏やかに頷いて「レオンハルト君は何か付け足すことはありますか?」と尋ねる。
「特には。しかしこの異常は徐々に頻度が増えている様子があります」
「そうですね。とても気がかりです。しかし原因をつかめていない以上、対症療法を続ける他ないでしょう」
(ううっ)
 思わず罪悪感で胸を押さえる。ミモザがちゃんと前世の記憶を思い出せれば原因は判明するのだ。
 今わかっていることは3年後に姉がそれを解決するということだけだ。
(いや、待てよ?)
 ミモザの記憶にはとんでもなく強い狂化個体をステラが仲間と力を合わせて倒すシーンがある。しかしその原因を取り除いていたかまでは定かではない。
(もしかして、3年経っても解決しない可能性がある?)
 だとすればそれはゆゆしき事態だ。いやしかしそんなに中途半端な解決をゲームを亜鉛 の サプリするプレイヤーが許すだろうか?
(よし!)
 ミモザは帰ったら記憶を思い出しやすくするおまじないを試すことに決めた。チロはそんなミモザの思考を見透かしてやれやれと首を横に振る。
「ところで彼女達はなぜここにいるのですか?」
 報告が一区切りついたところで、レオンハルトは王国騎士団の美女とジーンと呼ばれていた爽やか少年を目線で示して訊ねた。
「そんな邪魔そうに言わないでよ。要件があって来たに決まってるでしょ?」
 美女は口紅の塗られた唇を吊り上げて笑う。そしてちらりとミモザのことを見た。
「そうね。初対面の子もいるから自己紹介からしようかしら。わたくしはフレイヤ・レイアード。由緒あるレイアード伯爵家の長女にして、王国騎士団団長よ」
「僕はその弟子のジーン・ダンゼルと申します。以後お見知りおきを」
 そこまで言って2人してミモザのことをじっと見つめてくる。その視線にはっとしてミモザは慌てて「レオンハルト様の弟子のミモザと申します」と頭を下げた。
 試練の塔を終え御前試合にて成績を残し晴れて精霊騎士となった者の進む道は、一般的に2つに別れる。
王国騎士団に行くか、教会騎士団に行くか、である。
王国騎士団はその名の通り国に仕える騎士であり、教会騎士団も同様に教会に所属する騎士のことである。そしてどちらに行くのかの境目は出自だ。貴族は王国騎士団へ、平民は教会騎士団へとマカ と は入る。稀に貴族にも関わらず教会騎士団へ入る者もいるが逆はない。つまり目の前にいる2人は確実に貴族であった。
 ミモザはすすっとさりげなくレオンハルトの背後へと移動する。田舎では貴族になどまず出会わないが、それでも無礼を働けばどのような目にあうかの見当くらいはつく。
 フレイヤはそれをどう思ったのか「あら可愛い」と微笑んだ。
「心配しなくても酷くしたりしないわよ。伯爵位を持つ聖騎士様の弟子に軽々しい真似はできないもの」
(伯爵位持ってたのか)
 今さらのことを知って驚く。我が事ながら自分の師に対しての知識が浅すぎる。言い訳をさせてもらえればレオンハルトは自分のことを話したがらない人であるし、これまで特に知らなくても困らなかったからだと言っておく。爵位を持っているのは知っていたが、そんなに上の方の位だとは思っていなかった。
 ちらりとレオンハルトを見上げると、彼は肩をすくめて見せた。
「最初は男爵位だったんだがな。授与される前に間が空いてしまってその間にもいろいろと功績が増えていったんだ。その結果なんの位にするか貴族達の間で意見が割れてな。色々と面倒になっていらないと言ったら吊り上げ交渉と誤解されて伯爵位になってしまった」
「はー…」
 ミモザのような一般庶民にはなんとも理解が追いつかない話である。まぁ、貴族としてもレオンハルトと友好関係を築きたかったのだろう。
 レオンハルトはいつも白い教会騎士団の制服を着ている。一般的に聖騎士はどちらの騎士団にも属さないサプリメント マカ独立した存在のはずだが、元々が平民ということもあり教会騎士団との方が距離が近いのだろう。この世界の教会は宗教団体ではあるが政治的には市民の代弁者の役目も担っている。そのための教会騎士団であり抑止力として国もその存在を許容しているのだ。しかし貴族にとっては忌々しい存在だろう。最強の騎士が教会、ひいては平民寄りというのもよろしく思っていないに違いない。それを少しでも貴族側に引き寄せるために爵位を与えたとするのならばそのような高い待遇も理解できるような気がする。
(まぁ、難しいことはわからないけど)
 今のミモザにとって大事なのは、とりあえずフレイヤに軽々しく扱われる心配は低いということである。全力でレオンハルトの威を借りているが、社会的地位に関してはどうしようもない。
「今日わたくし達が来たのはね、『試練の塔被害者遺族の会』についての相談よ」
 その言葉を聞いてレオンハルトとガブリエルにぴりっと緊張が走った。
亜鉛ゴーヤ チャンプルークロムの効能亜鉛

 その後のレオン亜鉛 サプリ おすすめ

 その後のレオンハルトの行動は迅速だった。すぐに4人とミモザdha epaを引き連れてそれぞれの家へと向かい事情を説明し、主犯がゴーヤ自らの弟であることをアベルの取り巻きの家族へと謝罪した。そしてまだミモザへの謝罪は行われておらず、反省の意思が低いことを伝え、よくよく指導してくれるように、といい含めた。
 それぞれのご家族は二度目だったこゴーヤともあり、恐縮した様子でミモザに謝ってくれた。
 そうして1人ずつ家へと帰していき、最後はアベルを残すのみとなった。ミモザとレオンハルトとアベルというなんとも微妙な組み合わせで家を訪ねる。
 アベルの家とミモザの家はなんとお隣同士である。隣といっても田舎あるあるでものすごく遠く、畑と牧場を挟んだ上での隣である。まぁ、それでも隣はゴーヤ隣である。
 ミモザの家は村の一番西端にある。その手前がアベルの家である。さわやかな空色の屋根にクリーム色の壁。庭には家庭菜園と色とりどりの花が咲き誇る美しい家である。庭の手入れがよくされているのが見ただけでわかる。
 レオンハルトは終始渋っていたアベルの腕を掴んで引きずるようにしながら、その家の扉をノックした。
「はーい、どなた?」
 凛とした明るい声がする。おそらく彼女はアベルが学校から帰るのを待っていたのだろう。エプロンをつけて昼食の香りをただよわせながら玄関に出た。
 明るい橙色の髪に理知的な青い瞳。髪を編み込んでゴーヤお団子に結い上げた美しい女性だ。
 その普段は明るい表情が、来客のただならぬ様子を見て曇る。
「レオンくんとミモザちゃん?一体どうしたのかしら?」
「カーラさん、このような形になってしまって申し訳ない。大事な話があってきました」
 そう丁寧な口調で告げると、レオンハルトはアベルのことを地面に跪かせるようにカーラの前へと投げ出した。
「アベル……?あんた……」
「母さん、違うんだ、俺……っ」
「アベルがミモザくんのことを傷つけました」
 その言葉にハッと彼女はレオンハルトのことを見上げ、ついでミモザの顔の傷を見て取ったのか表情を歪めた。
「友人3人とともに彼女を取り囲んで石を投げつけ、髪を引きちぎるという暴行を加えたようです」
「……なっ!?」
「違う!」
 思わず反射で叫んだのであろうアベルを、レオンハルトとカーラ、計3ゴーヤつの目が見下ろす。
「何が違うんだ、言ってみろ」
「お、俺は、別に!暴行だなんて……、そんなつもりじゃ……」
 その視線に怯んだのかアベルはもごもごとそれより先の言葉は続けられず言いごもる。
 レオンハルトの深いため息に、アベルは身を震わせた。
「じゃあどんなつもりだったと言うんだ。まさかその行為で彼女が喜ぶと思っていたわけでもあるまい」
「それは、だって…っ」
「だって、なんだ?お前は明確な悪意を持って、彼女に危害を加えた。どんな言い訳を並べ立てたとて、その事実は揺るぎない」
 アベルは顔を真っ赤に染め、耐えきれなかったように叫んだ。
「それはこいつが生意気……っ!」
「もうやめて……っ!!」
 しかしそれは別の悲鳴じみた声に遮られた。見るとカーラは苦しむように頭を抱え、俯いている。その目からはぽたり、ぽたりと涙がこぼれ落ちていた。
「もう、やめて……」
「母さん……」
「やっぱり血は争えないのかしら」
 その目は失望感に満ち、遠くを見つめている。
「それをマカ と は言われては俺の立つ瀬もありませんが」
 苦笑しながら言われた言葉にカーラは弾かれたように顔を上げる。
「ごめんね、レオンくん。そんなつもりじゃ……」
「いえ、わかっていますよ。大丈夫です」
 どうやら2人にしかわからない話があるらしい。カーラは気を取り直すようにアベルを見ると、その前に膝をつき目線を合わせた。
「アベル、ねぇ、アベル。なんでこんなことをするの。前回の時あんた反省したって言ってたじゃない。嘘だったの?」
「それは……」
「あんた母さんにも先生にもミモザちゃんにも嘘をついたの」
「嘘をついてるのはミモザだ。俺は窓ガラスは割ってない!」
「あんた、何言ってるの」
 アベルの決死の叫びに、しかしカーラは目を見張った。
「誰が窓ガラスの話なんてしたの。ミモザちゃんに怪我をさせた話をしてるのよ」
「……っ」
 アベルは唇を噛みしめる。カーラはそんな息子の様子に力無く首を振った。
「アベル、わたしはね、もしあなたがミモザちゃんと同じ目に合わされたらそれをした相手が憎いわ。死んでしまえばいいとさえ思うかもしれない」
「……っ!?」
「あんたのしたことはそういう行為よ。そういう最低なことなの。わからないの?」
 カーラはアベルの肩を掴む。その瞳には焦燥があった。
「ねぇdha epa、わからないの?アベル」
「……母さん」
「わたしはもう、あなたがわからないわ。一生懸命育ててきたつもりだった。愛情を持って、真っ直ぐ生きてくれたらと。でももうわからないのアベル。どうしたらいいのかがわからない。あんた、一体どうしたらまともになってくれるの?」
「か、母さん!」
「カーラさん」
 そっと、レオンハルトはカーラの背中を慰めるようにさすった。そして残酷に言い放つ。
「アベルはおそらく病気です」
「お、俺!病気なんかじゃ……」
「普通の健常の人間は理由もなく暴力を振るったりなどしない。それは明らかに異常な行為だよ、アベル。
風邪を引いたら医者にかかるように、今回の件も専門家を頼るべきだと俺は思います。カウンセリングを受けさせましょう。更生のために。いい先生を探します」
「……レオンくん」
 不安げに見上げるカーラに、レオンハルトは力強く頷いてみせた。
「アベル自身の将来もですが、これ以上被害者を出さないことを第一に考えるべきでしょう」
「それは、入院させるってことかしら?」
 アベルは息を呑む。しかしレオンハルトは首を横に振った。
「それは最終手段です。まずは通院でいいでしょう。それでどうしようもないなら入院させるしかありませんが。学校側に協力を仰いでアベルが暴力的な衝動を抑えられない様子がないかどうかなど見張ってもらいましょう。こう言ったことはちゃんと環境を整えて徹底的にやらないといけない」
 そサプリメント マカこでアベルへと向き直る。
「アベル。お前もいいね。お前に治療の意思がなければどうにもならん。苦しいとは思うが俺も協力を惜しむつもりはない」
「俺、病気じゃないよ」
 アベルは途方にくれたように言った。自分の意思に反して進んでいく話についていけないのだ。
 しかしレオンハルトはその言葉を言い逃れと捉えたのか追撃の手を緩めなかった。
「ではお前は正常な状態にも関わらずなんの罪悪感もなしに暴力を振るったということになる。そちらの方がよほど悪い。そうなのか?アベル。お前は生まれつき暴力的な行為が好きな人間なのか?」
 問われてアベルは力無く首を横に振った。もう何も言えない様子だった。それに対してレオンハルトはやっと態度を軟化し優しく微笑み、なぐさめるように肩を叩く。
「まずは自分が異常な行動を取っていること、それを自覚するところから始めよう。大丈夫。必ず良くなる。そうすれば心の底から申し訳ないことをしたとちゃんと反省し、謝罪することができるようになるだろう」
 アベルは操られた人形のように無気力に首を縦に振った。レオンハルトもそれに同意するようにしっかりと頷き返す。
「頑張っていこうな」
 そして立ち上がるとミモザの隣へと移動し「じゃあカーラさん。俺はミモザくんを家に送ってご家族に謝罪をしてきますので」と告げた。
 それにカーラは焦ったようにエプロンを外しながら「わたしとアベルも一緒に……」と身を乗り出す。
 しかしその言葉をレオンハルトは手で制し、首を横に振ることで断った。
「今のアベルの様子では謝罪などしても上べだけになってしまうでしょう。それでは先方にかえって失礼だ。dha epa dhaまずは俺1人で謝罪に伺います。カーラさんはアベルのことをよろしくお願いします」
「……ごめんね、迷惑をかけちゃって」
「なにを言うんです。家族でしょう。俺はそのつもりでしたが違いましたか?」
 カーラはその言葉を噛みしめるように俯いた。
「いいえ、違わないわ、ありがとう」
 そしてミモザへと向き合う。その瞳はもういつもの理知的な光が戻ってきていた。
「ミモザちゃん、本当にごめんなさい。きちんとアベルのことは更生させます。あなたにも近づかせないようにするからね。本当にごめんなさい」
 あまりにとんとん拍子に進む急転直下の状況に、ほぼ空気と化して流れを見ていただけだったミモザは首をぶんぶんと横に振ることしかできなかった。
dha epa dha亜鉛 サプリポリ ペプチド亜鉛

 試練の塔、第ゴーヤ

 試練の塔、第1の塔はサプリメント マカチュートリアルの塔である。
 敵は一切出現しない。ただマップの亜鉛 サプリ見方や試練の塔の説明のためにあるような塔である。そのためその試練の内容は至極簡単で子どもでもできるお使いのようなものだ。あちらこちらに隠されているはずのマカ サプリ鍵を探して塔の最上部にある扉に挿す、ただそれだけである。ただし鍵は3種類ある。そう、金銀銅の3種類だ。そのうちのどの鍵を見つけられるかにより、祝福の精度が変わるのである。そして今、ミモザはーー
「銅しか見つからない……」
 大量の銅の鍵を抱えて途方に暮れていた。
 もはや疲れ果てて天を見上げる。そこにはやはり塔の中にも関わらず綺麗な青空が広がっていた。アントシアニン
「クソゲーめ……」
「チー…」
 チロが慰めるようにミモザの頬を撫でる。ミモザはその優しさに「うっ」と泣き崩れた。
 あたり一面には色とりどりの花畑が広がっていた。蝶々や蜂がぶんぶんと飛び交っている。その中で1人地面にへばりつくミモザ。
(悲しい……)
 いや、わかってはいたのだ。そうなるかも知れないと予測はしていた。
 しかし予測していたのと実際に起こるのとではやはり重みが違うのだ。
 通常確かに銅より銀の方が見つかりにくい。金など見つけられる人間は稀である。しかし銀は一般的に見つかる部類のはずなのだ。
 周囲dha epa dhaを見渡せば銀の祝福を持っている人は普通にいる。特に騎士を目指すわけではない人でも普通に持っている。
 故にゲームのノーマルモードは銀で、ハードモードは銅なのだ。
「あの…、大丈夫ですか?どこかお怪我でも……」
「いやちょっと世界に絶望してただけなので大丈夫です」
「それは大丈夫なんでしょうか……」
 親切に声をかけてくれた人物はそこまで言って、「あれ?」と声を上げた。
「ミモザさん?」
「はい?」
 名前を呼ばれて顔を上げる。
「……何やってるんですか?本当に」
「僕の中の金髪美少女は地べたにへばりついたりしないんだけどな」と神妙な顔で呟くのは王国騎士団団長の弟子、ジーンであった。

「ミモザさん、まだ塔の攻略されてなかったんですね」亜鉛の効果
「そういうジーン様もですか?」
「ええ、僕は学園を先日やっと卒業しましたので」
「なるほど」
 やっと地面にへばりつくのをやめてその場に座るとミモザは頷いた。それは実によくある話だ。
 塔の攻略は13歳以上ならば可能だが、本当に13歳を迎えてすぐに攻略に向かうのはだいたいが学校にもあまり通えないような貧困層である。なぜなら塔の攻略いかんによって就職先や給料が大きく左右されるからだ。
 一応この国ではどこに住んでいても学校に通い、基礎教育を受けられるように整備が進んできているが、無料というわけではない。国から補助金が出ているため安価ではあるが、それでも少しのお金でも切り詰めたい場合や子どもに働いてもらいたい状況の場合は通えない者も多い。レオンハルトなどはこの例である。
 対してミモザやジーンなど学校に通えている者は学校卒業後、つまり15歳に塔の攻略を始めることになる。これは当然、学校を卒ポリ ペプチド業していた方が卒業していない場合よりもその後の進路に幅が広がるためである。
(学園に通ってたならなおさらだろうな)
 学園といった場合に指し示すものは王都にある国立中央学園のことである。これは貴族の子息、子女が通う学校でミモザが通っていた学校など比較にもならないくらいのエリート校であり、そして国立にも関わらず非常に高い学費の必要な学校である。一応最近は特待生制度などができ、平民や貧しい人も優秀であれば通えるようになってきたらしいがまだまだ貴族のエリートが通う学校としての印象が強い。ここを卒業すれば国立中央学院という更なる叡智を学べる研究機関への道が開かれるのだ。当然、いつでも誰でも挑める塔の攻略などより学園の卒業のほうが優先されるだろう。王国騎士団団長の弟子な時点でエリートだとは思っていたが、彼はミモザの想像以上の超エリートだったようだ。
「僕も先日学校を卒業したので今日から攻略開始です」
「へぇ」
 ジーンは意外そうに相槌を打った。おおかたレオンハルトの弟子なので学校に行っていないと思われていたのだろう。
(まぁ、間違いではない)
クロムの効能 厳密には通っていない。不登校なので。
「そういえば……、先ほどミモザさんにそっくりの金髪美少女に出会ったのですが、お知り合いでしょうか?」
「えっ」
 のんびりと続けられた言葉にぎょっとする。ミモザにそっくりな人間などこの世に1人しかいない。
「確か名前はステラさんとおっしゃっていました」
「ど、どこで会ったんですか!?」
「え?ええと、王都の大通りで……、お買い物をされていたようで」
 その言葉にほっと胸を撫で下ろす。どうやらまだ塔に来ているわけではないらしい。なるべく鉢合わせたくないのだ。
「ええと、彼女は……」
「あ、僕の姉です。双子で」
「ああ、通りで。あんまりにそっくりなのでミモザさんかと思って間違えて声をかけてしまったのです」
 続けられた言葉にミモザは「ん?」と首を傾げる。どこかで聞いたことのあるような話だ。
 王都、知り合いと間違えて声をかける、エリート。
「攻略対象……?」
「はい?」
 思わず行儀悪く指差したミモザに、ジーンは不思議そうな顔をする。その顔をまじまじと見つめるが、正直まったく思い出せない。
 清潔に切り揃えられたサラサラの黒い髪に優しげな黒い瞳。爽やかな笑顔で立つその姿は、
(まぁ、イケメンといえばイケメン)
 攻略対象であっても不思議ではない。
 ゲームの攻略対象はレオンクロムの効能ハルトと王子の隠しキャラ2人を除くと全部で5人。全員所属する組織が違うのが特徴である。幼馴染のアベル、被害者遺族の会のマシュー、そしてあと出てきていないのは保護研究会と学園のエリート、大人枠の学院の教師である。
 特徴としてはジーンは十分に当てはまっている。ここまで共通項があれば彼が攻略対象とみて間違いないだろう。
(全く思い出せないけど!)
 まぁ、全ての記憶があるわけではないから気がつかなくてもしょうがない、と誰ともなしに心の中で言い訳していると、ジーンははぁ、と残念そうにため息をついた。
「ミモザさんって金髪美少女なのに、らしからぬ性格をしてますよね」
「最初に会った時も思ってましたがジーン様のその金髪美少女に対する歪んだ価値観は一体なんなんでしょう?」
 こてん、と首を傾げるミモザにジーンがむっ、と眉を寄せる。
「歪んでませんよ」
「歪んでますよ」
「美少女は巨乳なんて言わないし地べたに這いつくばらないんですよ、普通は」
「誰だって巨乳って言っていいし地べたに這いつくばる権利くらいありますよ?」
 そのまましばらく2人は見つめ合った。ややして「ああ」とミモザは納得したように頷く。
「もしかしてジーン様、あまり女性と接したことがないんでしょうか」
「は、はぁーっ!?」
 明らかに動揺したようにジーンは目を剥いて声を上げる。
「あ、ありますよ!先生は女性じゃないですか!」
「じゃあ同年代の女子と接した経験は?」
 彼はそっぽを向いてうつむいた。
「く、クラスメイトと」
「クラスメイトと?」
「あ、挨拶くらdhaいしたことあるし?」
「つまりそれ以外はないんですね」
「うぐぐっ」
 うめくジーンにミモザはさらに首をひねる。
「普通貴族って婚約者とかいるものなんじゃないんですか?」
「みそっかすの三男にそんなものはそうそういませんよ」
 むすり、と彼は不機嫌そうにそう告げた。
「親には好きにしろって言われてそれだけです」
「自由でいいじゃないですか」
「よくないですよ!三男なんてね!どっかいいとこに頑張って就職するか婿入りしない限り穀潰し扱いで家族に冷たい目で見られるんですよ!長男のスペアですらないから家に居場所がないんです!!」
 なかなか複雑な立場らしい。彼はぶつぶつと「女の子が欲しいから産んだのに男の子が産まれちゃった結果の僕ですよ」とぼやいた。
「だから僕は頑張ってるんですよ。真面目に勉強して学園で優秀な成績をおさめ、先生に弟子入りして、エリート街道を走って決して無能だなんて思われないように……」
「その結果女の子との接触が無さすぎてこじらせちゃったんですか?」
「こじらせてません!」
 ジーンは拳を振り上げて力説した。
「女の子はお花と砂糖菓子となにか素敵なものでできてるんですよ!」
「女の子の構成要素は血と肉と骨ですよ」
「うそだー!!」
 しかしすぐに打ちのめされて耳を塞いで叫ぶ。本人も多少夢を見過ぎている自覚があるのだろう。しかし認め難いのか弱々しくあらがった。
「お、女の子はなんかいい匂いがして、髪の毛サラサラで、下品なことは言わないんだ」
「何もつけなきゃ普通に汗の匂いですし、髪の毛ぼざぼさの人もいるし、下ネタも言いますよ」
「イヤー!!」
 しかしすぐに返り討ちにあってうずくまる。
「うっうっ、僕の理想の女の子像が汚された」
 ミマカモザはその背中に優しくそっと手を添える。そうして穏やかに諭した。
「よかったですね、早くに目覚められて」
「最悪だ……」
 幽鬼のようにうめくジーンの背中をさすってあげながら、少しやりすぎたか、と反省する。
 まぁ言ったことはすべて事実である。
アントシアニンの効果亜鉛 の サプリマカ亜鉛