ゴードンは新米兵士である。
一応精霊使いと名乗れる程度の素クロム養はあるが、塔を5つ目で挫折したた亜鉛 の サプリめ精霊騎士ではない。それでも5つ目の塔まで攻略した実績を評価され、王国騎士団の下っ端として拾ってもらえたのだ。エリートコースを歩むためには精霊騎士になることが必須であるが、田舎の出身で王都で暮らすことを夢見ていたゴードンにとっては食っていける職にありつけただけで上亜鉛 サプリ おすすめ々の人生である。
「壮観だなあ」
そんな新米で小市民なゴードンにとって、今回のは初めての大規模な任務であった。実に数千人規模の両騎士団を動員した、戦争でも始めるのではといった事件だからだ。
ゴードンの前方には整然と先輩兵士が並び、そのさらに前にはエリートの精霊騎士達、そしてそのさらに前、先頭にはー
(あれが『三勇』)
我らが王国騎士団団長フレイヤ、教会騎士団団長ガブリエル、そして聖騎士レオンハルトの姿がアントシアニンの効果あった。
ちなみに三勇とは『三人の勇士』の略である。かつては『二将、一勇』や『三英傑』など色々と呼び方を模索したらしいが、一番語呂がよく呼びやすい『三勇』に落ち着いたらしい。やはり語呂は大事だ。
ゴードンのような下っ端ではレオンハルトはおろか、フレイヤですらお目にかかる機会は滅多にない。
それが3人揃い踏みなのには当然理由がある。王都周辺で野良精霊の大量発生という異常事態が起こったからだ。それも複数箇所同時にである。
それなのに何故ここにこんなに戦力が集中しているのか?
単純に考えれば分隊をクロム大量に分け、各地に派遣すべきと考えるだろう。そして実際に別働隊は存在している。しかし彼らの仕事は精霊の駆除ではなく、住民の避難と精霊の追い込みである。
今回あまりにも精霊の量が多く、また倒しにくい相手であった。熊型が大量発生したのだ。
そのため一箇所一箇所殲滅して回るには時間がかかり過ぎた。そこで考えられた案が追い込み漁である。
幸いなことに大量発生している場所は王都周辺と限られていた。そのため大量発生が起こった一番外側を円の端にしてぐるりと騎士達で囲み、そのまま精霊達をこの何もないだだっぴろい荒野へと追い込み、そこで待ち受けて一網打尽にしようということになったのである。ちなみにこの作戦の発案者はガブリエルである。ゴードンは今まで知らなかったが、彼は知将として国内外で有名らしい。
その時、上空からひらマカ サプリひらと何かが舞い降りてきた。それは2匹の守護精霊だ。
1匹は黒い羽に銀色の模様の映える美しい蝶。そしてもう1匹は黒く艶やかな装甲をして鋭いツノをもつノコギリクワガタだった。
その二匹は諜報にでも出されていたのか前方の三勇の元へと飛んで行く。
「お、三勇様の守護精霊だな」
その時前に並んでいた先輩がつぶやいた。
「確か、団長様のでしたっけ?」
それにゴードンは声をかける。先輩は目線だけで振り返ると「当たりだ」と笑った。
ゴードンは当たったことが嬉しくてへへっと笑う。噂で両騎士団団長はお互いが同じ虫型の守護精霊であることが気に食わなくて仲が悪いのだと聞いたことがあったのだ。
「両団長様のだな。おそらく追い込みの調子を確認していたんだろう」
先輩の言葉を肯定するように、仕入れてきた情報を主へ伝えようと精霊達はそれぞれの騎士団長へと近付いて行った。
蝶はガブリエルの方へと進み、その姿を美しい鉄扇へと変えた。
クワガタはフレイヤの方へと進み亜鉛、その姿をいかついチェーンソーへと変えた。
「ぎゃっ」
逆だろ!と叫びかけてすんでのところで堪える。しかし、
「いや、逆だろ!!」
口を手で押さえるゴードンの背後から声が聞こえた。振り返るとそこには指差して叫んでしまったと思しき同僚の姿があった。彼は先輩に頭を引っ叩かれ、逆にゴードンはこらえたことを褒めるように先輩に頭を撫でられた。
(あとであいつに声かけに行こ)
友達になれる気がする。
「ぼさっとするな、来るぞ」
他の先輩が促す。それとほぼ同時に地響きのようなものが始まり、そして姿を現した。
大量の熊型の野良精霊である。
そのあまりの多さに、みんなわずかに怯んだようだった。しかし、
ごうっ、と風の燃える音がした。
レオンハルトだ。
彼が巨大な剣を一振りすると、そこから炎を纏った斬撃が放たれ、それは徐々に範囲を広げながら熊達を焼き切った。あまりの高温ゆえに、おそらく斬撃に触れた場所が蒸発したのだ。
胸から上を失った熊達が無惨に倒れ伏す。
(すげぇ……)
なんと彼はその一振りでたどり着いた第一陣をすべて焼き払ってしまった。
まさに一騎当千。
(これが、聖騎士)
これが最強の精霊騎士か、と感嘆すると同時に畏怖の念が湧く。
味方ならポリ ペプチドこんなにも心強いが、もしも敵対することがあればと思うと冷や水を浴びせられたように体が一気に冷たくなり震える。
「聞け」
その時声が響いた。ゴードンは弾かれたように顔を上げる。
「これは皆のための戦いである。家族や友、そして愛すべき国民を危機に晒してはいけない」
けして叫んでいるわけでないのに、大きくよく通るレオンハルトの声が響く。
その言葉にゴードンははっ、と我に返る思いがした。そうだ、守りに来たのだ。自分の想像に怯えている場合ではない。
「皆の者、俺に続け。必ず勝利を掴み取るぞ」
オオオォォォッ!と雄叫びが上がった。ゴードンはもう、畏怖にとらわれてはいなかった。
陽の光に照らされて、英雄の藍色の髪がきらりとひらめく。その横顔は凛々しく、金色の瞳は未来を見据えている。
勝利という未来を。
そう信じるには充分過ぎて、ゴードンは胸を熱くした。
そう、ゴードン達はこの手で必ず国民を守るのだ。
。マカゴーヤ チャンプルー亜鉛 サプリ
第6の塔の亜鉛の効果
第6の塔の祝福は、水中移動である。
そのマカ と は亜鉛 サプリ名の通り、水の中を移動できるようになる祝福で、ゲームの中では巨大なシャボン玉に入って水の中を移動していた。
ミモザは今、第4、第5の塔をすっ飛ばしてここに来ていた。
理由はーー、
(お姉ちゃんクロムはゲームのことを知っている……?)
マシューの発言だ。もしもステラがすべてを知っているのだとしたら先にやっておかねばならないことがあった。
(いや、でも……)
ゲームのことを知っているというにはマシューの言っていたステラの発言は少し違和感がある。
ゲームの記憶を持つミモザとしては『繰り返している』という感覚はない。そのため『これから起マカ と はこることがわかる』という発言には同意できても、『前回』『やり直せた』に関しては奇妙な発言であるという感覚を拭えない。
(まるで本当にそうしたみたいな言い方)
そこでハッとミモザは顔を上げた。
(ゲームの記憶じゃなくて、本当に『前回』の記憶があるのか……?)
だとしたらその言い方にも納得がいく。
「チロ、どう思う?」
「チー」
チロは肩の上で首を横に振ると、今考えたところで結論は出ないぞ、とミモザのことを諭した。
「……そうだね」
とりあえず、ステラが『これから起こること』を知っているのは確かなのだ。
「準備をゴーヤ早く進めないと」
そう言っている間に、ミモザは広大な湖へと辿り着いた。
これが第6の塔の試練だ。
ミモザはその湖へと足を踏み出す。
試練の内容は単純明快、向こう岸まで辿り着くこと、その過程で湖の中に沈む鍵を見つけることだ。
当然、湖の中には野良精霊がうじゃうじゃ泳いでいる。
しかし今回のミモザのお目当てはそれだけではない。
実はこの第6の塔には隠しステージが存在する。水中にある洞穴のうちの一つが異空間へと繋がっており、そこにあるアイテムがあるのだ。
その名も聖剣。
それを手に入れることにより、主人公の攻撃力が全体的に向上するというチートアイテムだ。
これは難易度がイージーの際にだけ出現する隠しアイテムであり、手に入れなくてもゲームの攻略に支障はないがサプリメント マカ、手に入れればサクサク敵を倒せる便利お助けアイテムである。ステラは最初の塔で金の祝福を受けていた。ということはイージーモードのはずなのだ。
(それをお姉ちゃんより先に手に入れる)
あるいは破壊する。
悲しいかな、これまでの経験からミモザは若干予防線を張るように心がけていた。
自分ではダメだった時の予防線だ。
例えゲーム上では見つけさえすれば誰でも使用可能という設定の聖剣であろうが、これまでの祝福がすべて銅という強制ハードモードのミモザでは駄目かもしれない。
(いや、いいんだ。お姉ちゃんの手に渡りさえしなければ……)
もうそれ以上は望むまい。そう拳を握る主人にチロは同情するようにその頬を撫でた。
ミモザは湖を泳ぐ。透明度の高い湖は見下ろすだけでその内部を覗き見ることができた。
湖の底には人工物と思しき石造りの建物や石像がちらほら沈んでいる。それが何を意味しているのか、ミモザdha epa dhaにはわからなかった。
(見つけた)
その中に小さな白い石碑を見つけてミモザは大きく息を吸うと潜水した。
この石碑が聖剣の在処を示す手がかりなのだ。
この石碑には古代語が刻まれている。その古代語自体には大した意味はないが、全く同じ文字が三ヶ所に書かれており、それを繋げると三角形ができるのだ。その三角形が矢印の役割を果たしており、その示す通りに進むと次の石碑が現れるという寸法だ。それを辿っていけば最後は聖剣に辿り着けるはずだった。
ミモザは石碑の文字を確認する。趣味のおまじない関連本の読書により鍛えられた古代語の知識でなんとはなしにその文章を読む。
「…………」
そこには『最近の若者はなっとらん、目上を蔑ろにして……』という愚痴が延々と書かれていた。
(これを作った人、立場弱かったのかな……)
聖剣を使えばそれなりの地位を築けそうな気もするが、隠しているということは隠した人物は使用しなかったのかも知れない。
ミモザは気を取り直して三つの文字を探し、そして方向を確認するとその石碑をメイスの棘で貫き粉砕した。水上へと上がると矢印の方向へと適宜水クロム底を確認しながら泳ぐ。あとはひたすらそれの繰り返しだ。
塔の内部は基本的に石造りなのだが、所々光を放っている石が頭上にも水底にも存在していてある程度の視界は確保できていた。もしかしなくとも暗視の祝福があればもっと見やすいのかも知れない。
時々似たような石造りの像などに騙されることもあるが一つ一つ確認しながらミモザは進む。ついでに手がかりの破壊も忘れない。
ステラに一周目の記憶があるのならば記憶を手がかりに聖剣を探せばいいため、この破壊行為は無意味だと思われるかも知れないが、実は有効な戦略である。
何故なら聖剣の位置は一周目と二周目で異なるからだ。
もちろん、ゲームの記憶があるのならば、そしてニ周目をプレイしたことがあるのならば石碑がなくても聖剣の位置はわかるだろう。その場合は隠蔽工作としての意味はない。しかしこうすることでステラの反応から彼女にある記憶が『前回の記憶』なのか『ゲームの記憶』なのかを判断する材料になる。
場所が見つけられなければステラにあるのは『一周目の人生の記憶』、場所が見つけられるのならばステラにあるのは『ゲームの記憶』だ。
確認するタイミングがあるかどうかわからないが、後々参考になれば儲けものである。
ふいに、潜水するミモザの頭上に黒い影が差した。それは巨大なワニの姿をした野良精霊だ。彼はミモザ亜鉛に気づくと同時にものすごい速さで急降下してきた。
そしてごぽっ、と音を立てて泡を吹きながらその動きを止めた。ミモザがメイスの棘でワニを刺し貫いたからである。しばらく力無くもがいていたが、やがてその動きを止めたワニに、ミモザはメイスの棘を引っ込めた。そのままワニは水上へと浮かんで行く。周囲にワニの血が広がり視界が悪くなったので、ミモザも一度水面へと浮上した。
「……ぷはっ」
ぜいぜいと肩で息をする。さすがに長時間水泳と潜水を繰り返すのはきつい。
「筋肉がなかったら断念していたかも知れない……」
やはり筋肉は素晴らしい、としみじみとつぶやく。
ちなみにゲームでのステラは合成スキルで船を作って移動していた。そして鍵の光が見えた時だけ潜水するのである。
ではミモザは何故そうしないのか? 答えは簡単である。
銅の合成スキルでは大きい物は作れないからである。
ミモザは無言で頭上をふり仰ぐ。
別に気にしてはいない。今更である。
何故か湖の水なのに若干塩辛く感じるがこれは誰がなんと言おうと気のせいなのである。
「やばい……、挫けそう」
上半身だけ水面に出しながら思わず顔を両手で覆うミモザに、チロはメイス姿のまま、今挫けたら死ぬぞ、と忠告をした。
そうこうしているうちにやっと終点にたどり着いたらしい。潜水するミモザの目の前にぽっかりと口を開いた洞窟が現れた。中は暗闇で見通すことはできない。
「…………」
ミモザは覚悟を決めると、その洞窟の中へと飛び込んだ。
洞窟の内部は緩やかに上方へと昇る坂道になっていマカ サプリた。少しずつ幅の狭くなる道に引っかからないように注意しながらミモザは進む。すると急に開けた場所に出た。ずっと岩だらけだった足元は砂に変わり、ミモザは水面目掛けて上昇する。
「……はぁっ、はぁっ」
あたりを見渡すとそこは入江のようになっていた。もう少し進めば足がつきそうだ。岸を目指して泳ぎ、久しぶりにミモザは地面へと足をつけた。
「間違いない。ここだ」
最後の石碑が砂浜に刺さっている。ミモザはその向きを確認するとメイスですかさず壊し、足を進めた。
「………?」
一見すると、それはただの行き止まりで、塔の壁である岩壁があるだけのように見えた。
「いやでも、確かにこっちに矢印が……」
ミモザはその付近の岩壁を手で撫でる。すると1ヶ所だけやけに冷たいことに気がついた。
「…………」
水中で拾っておいた鍵をミモザは取り出す。それは当然のように銅だったが、今は色は関係ない。
それを冷たい岩に押し付けた。
「………っ!?」
とたん、ミモザは引力のようなものに引っ張られてその中へと吸い込まれた。
。ゴーヤクロムの効能亜鉛の効果クロムの効能
「酷い目にあい亜鉛
「酷い目にあいましたね」
ミモザの足の怪我を見て、ジーンはポリ ペプチド言った。
ミモザの視界を茶色い亀がのそのそと横切っていく。
こクロムの効能こは軍警察の医務室である。騎士はもう帰ってしまい、手当てをしてくれた兵士も「聴取は終わったから帰って良いよ」と声をかけて立ち去ってしまった。
目の前でうぞうぞと動く亀の頭をミモザはこつマカ サプリん、とこづいた。彼はびくり、と身を震わせて甲羅の中へとこもる。
「ちょっと」
それにジーンは抗議の声をあげて亀を大事そうに回収した。
「人の守護精霊にいたずらしないでくださいよ」
「すみません、つい」
目の前であまりに必死に歩いているので親近感が湧いてしまったのだ。
ジーンは「まったく」と不機嫌に亀を懐へとしまった。
それを見て通りでジーンの守護精霊の姿を見たことがなかったはずだとミモザは納得する。
ゴーヤ チャンプルー 彼はいつもジーンの懐にいたのだ。
「被害届、出さなかったんですね」
「あれはただの試合です」
「違いますよ、ただの脅迫です。試合はリングの中で審判に見守られてやるものですよ」
「条件は平等でした」
そう、ミモザは正々堂々と一対一で戦って、
「負けました」
そう言ってうつむくミモザに、はぁ、とジーンはため息をつく。
「まぁ、ミモザさんの戦い方は野良精霊はともかく対人戦では不利ですからね」
「それは言い訳でしょう」
ミモザにミスはなかった。全力で、今出せる能力をすべて出して負けたのだ。
「……ミモザさん」
「ミモザ」
ジーンが何か言いかけたのをさえぎって、扉ががらりdha epa dhaと開いた。それと同時に名前を呼んだ声の主にミモザはあんぐりと口を開ける。
「……レオン様」
「大丈夫か? 怪我の具合は」
彼の動きに合わせて豊かな藍色の髪がさらりと流れる。いつも険しい顔をいっそうしかめ面にして彼はその金色の目をミモザの負傷した足にこらした。
怪我の具合を一通り確認して、そこでやっと目元を安心したように緩ませる。
「綺麗に治療してもらったな。この分なら後遺症もなさそうだ」
「はい。えっと、どうしてここに……」
その質問にレオンハルトは呆れたように「君が王都に滞在する間の身元引受人が誰だと思ってる」と言う。
「……あ」
「君に何かあれば俺に連絡が入る。特に騎士団が関係していれば隠蔽は無理だと思え」
さきほど事情聴取に対応してくれた騎士。確かに彼はミモザのことを知っているふうであった。もしかしたら彼が連絡をしたのかも知れない。
「では、僕はこれで失礼しますdhaね」
保護者の登場に長居は無用と悟ったのか、ジーンはそう言って軽くレオンハルトへ向けて頭を下げた。そのまま立ち去ろうとするのに「ジーン様!」と慌ててミモザは声をかける。
「ありがとうございました。助かりました」
「たいしたことはありませんよ。女の子を助けるのは男の甲斐性ですから」
では、と爽やかに微笑むと、ジーンは今度こそ部屋を出て行った。
「…………」
ジーンに礼を伝えるために浮かしかけた腰をミモザはベッドへと下ろす。自分も早くここから立ち上がって帰らなければと思うのに、ベッドに根が生えたかのように体が持ち上がらない。
「ミモザ」
そんな弟子の様子にレオンハルトは目の前に跪いてその手を取ると「どうした?」と問いかけた。
「だいたいの事情は聞いている。君の行動は適切だった。何も悔いる必要などはない」
「…………負けました」
そのレオンハルトの顔を見ていることができなくてミモザは顔をそらす。申し訳なさすぎて顔向けができなかった。
「貴方にいろいろと教えてもらって、訓練してもらって、それなのに……、負けまアントシアニンした」
「ミモザ」
レオンハルトの声にびくりと身を震わせる。彼はそれを宥めるように手を握るのとは反対の手でミモザの背中をなでた。
「一度負けたからといって、それがなんだと言うんだ」
「才能が、ないんです」
ぽろりと弱音が落ちる。それは普段は奥底にしまい込んで見ないようにしている本音だった。
「どんなに頑張っても、魔力は少ないし、魔法もしょぼいのしか使えないし、祝福は全部銅だし……、それを得るためにどれだけの時間を僕が費やしたか……。それなのにお姉ちゃんはその半分の時間も労力もかけずに僕よりも良いものを得るんです」
レオンハルトの手を強く握る。そうしないとみっともなく泣き出してしまいそうだった。
「才能か……、便利な言葉だな」
その姿を冷静に見つめながら彼は静かに言った。その言葉にミモザは自分が恥ずかしくなる。それを労るように彼はミモザの手を握り返しながら言葉を続ける。
「いやなに、その考えを否定するつもりはないよ。俺も才能があるとよく言われる。確かに、才のあるなしというものは存在するのだろう」
そうだろう、とミモザは言葉には出さずに内心で頷く。レオンハルトは天才だ。これで才能なんて幻想亜鉛だ、都合のいい言い訳だなどと言われたら、ミモザはもうどうしたら良いかわからない。
「しかし俺にとって最も重要なのはそこではない」
その強く言い聞かせるような言葉にミモザははっと彼の方を向いた。レオンハルトと目が合う。彼はその黄金の瞳をはちみつのようにとろりと緩ませて微笑んだ。
「配られたカードを精一杯有効活用できているか。そちらの方が重要だとは思わないか? ミモザ、君は最大限に与えられたものを活かせていると俺は思う。それは誇るべきことで、君のたゆまぬ努力の賜物だ」
「でも、その結果……」
勝てなかったではないか、という言葉は、「それがどうした」という力強い言葉に打ち消された。
「たったの一度だろう、ミモザ。たったの一度負けたくらいでなんだ。次に勝てばいい!」
まだ納得のいかなそうなミモザに苦笑して、「君にならそれができると俺は信じているよ」と彼は付け足した。
「できるでしょうか」
「できるさ」
「勝てるでしょうか」
「勝てるとも」
彼の言葉は不思議だ。ミモザは自分の能力は信じきれないが、彼の言葉ならば本当にそうなのではと信じてしまう。
「………勝ちたいです」
「勝て、ミモザ」
ぐっ、と勇気づけるように彼は手を握る。それを先ほどとは違う強さでミモザも握り返した。
「勝ちます。次は必ず」
「その意気だ」
レオンハルトは破顔した。その滅多にない明るい表情に、ミモザもつられて口元が緩む。
「レオン様、……dha epa dha本当にそう思ってますか?」
「どうかな」
しかしその表情はすぐに意地の悪いいつもの笑みへと変わった。
「俺は不公平な人間だからな。大切に思っている人を優先させるためならどんな嘘でも理屈でもこねるさ」
そこまで言って、わずかに戸惑うようにぼそりと付け足す。
「だが、大切に思っているという感情は本物だよ」
そのらしくない言葉にくすり、とミモザは笑う。レオンハルトも一度は眉をむすりとしかめたが、すぐに諦めたように微笑んだ。
そのまま握っているミモザの手を揺らす。
「他にどんな言葉が聞きたい? いくらでも話してあげよう」
「もう充分です。お腹いっぱいです」
ミモザはうつむいた。自分が今どんな表情をしているのかわからなかった。
。サプリメント マカdha epaゴーヤゴーヤ チャンプルー
「それで? どう亜鉛 サプリ おすすめ
「それで? どうだったの?」
尋ねるフレイヤに騎士は首ポリ ペプチドを横にクロムの効能振った。そこは教会のオルタンシア教皇の執務室だった。やはり前回集まった時同様、オルタンシア、レオンハルト、ガブリエル、フレイヤ、そしてミモザが集まっている。そこに直接ステラの元へと強制執行に行った騎士が報告に訪亜鉛 サプリれていた。
彼は淡々と告げる。
「ラブドロップは見つかりませんでした」
それにフレイヤは盛大に顔をしかめた。
「なぜ……っ!」
「わかりません。けれど、彼女自身に隠蔽工作をするほどの賢しさはないように見えました。もしも隠したとしたら、それは……」
そこで彼は気まずそうにちらり、と近くに立つレオンハルトのことを見る。
「聖騎士殿の弟ぎみのほうかと」
「そうか」
レオンハルトは淡々と頷アントシアニンの効果く。
「アベルのことは俺の弟だからと遠慮するようなことは不要だ。君達の任務をしっかりと遂行してくれ」
「無論です。例えどなたのご身内であろうと我々が手を抜くことはありえません」
むっとしたように騎士はそう告げた後、フレイヤの方へと再び向き直る。
「アベル殿が外から戻られたご様子でしたので、もしかしたらこちらの動きを察して処分したのかと一応宿の他の部屋や周辺のごみ収集場なども探ったのですが、見つからず……。ひとまずはジーン殿とマシュー殿を取り急ぎ保護させていただき、今は病院で静養してもらっています。医師の見立てでは数日のうちに薬は抜けていくだろうとのこdhaとです」
「………気に食わないわね」
フレイヤはドスの効いた声で吐き捨てる。
「状況証拠はこの上もなく彼女が黒だと示しているのに捕らえることができないだなんて……っ」
「まぁ、物的証拠か現行犯でもない限り逮捕は難しいですからね」
オルタンシアはそんな彼女を宥めるようにそう言った。
「魔薬は尿検査や血液検査でも検出は困難ですし……、今回は仕方がないでしょう」
「犯罪者を野放しにするなど、我が騎士団の威信に関わります! ただでさえ、わたくしの弟子に手を出すなんてっ。こちらをこけにするにもほどがある……っ」
「そうは言っても仕方ねぇだろ。まぁ、今回逮捕できなかった容疑者はそこそこいるが、少なくとも元凶は捕らえた。もうあの薬が供給されることはねぇ。今回の件はこれで終いだ」
いきり立つフレイヤにガブリエルが冷マカ と は静に告げる。それに歯噛みしつつもこれ以上はどうしようもないことも理解している彼女はそれ以上の言葉を控えた。
フレイヤが落ち着いたのを見てとって、オルタンシアは皆の注目を促すように手を数回叩いて見せる。
「今回は残念な結果でしたが、決して我々は犯罪者に屈したわけではありません。現に密売人は捕らえ、事件の収束には成功いたしました。残りの購入者についても目星はついているのです。これは犯罪者予備軍をピックアップ出来たと言ってもいい。一度誘惑に負けた者はまた違う形で誤ちを犯す可能性が高い。その時には、彼らに二度目はないということを思い知らせてあげましょう」
彼のすみれ色の瞳がうっすらと微笑む。そこに映るのは慈悲ではなく断罪の光だ。
「この国に住む人々の平和と安寧のために」
最後に彼は祈るようにそう言った。
そこは病室だった。看護師や医師は突然降って湧いた大量の精神汚染の患者達の対応に追われて慌ただしく走り回っていた。
その廊下を美しい女性が肩で風を切って歩いていた。彼女は銀色の髪マカ サプリを風に流し、銀色の瞳に決意をみなぎらせている。
そんなフレイヤの後ろをちょこちょこと物見遊山気分でミモザはついて歩いていた。
とはいえ別に遊びに来たわけではない。手にはちゃんと果物を持っている。前回ミモザが怪我した際はジーンに迷惑をかけたので、そのお礼とお返しを兼ねたお見舞いに来たのである。
フレイヤは目当ての病室を探し当てると勢いよくその扉を開けた。
「ジーン!! わたくしの不肖の弟子!! なんであんな怪しい奴からの飴なんて口にしたの!!」
開口一番叱責である。
まぁ、フレイヤの心労を思えば無理からぬことかも知れないが、被害者であるジーンには少々酷な話だ。
彼らは二人部屋にいた。身体的には異常がないからだろう、それぞれのベッドに腰掛けてマシューとジーンは何かを話しているところだったようだ。
怒れる師匠の登場にジーンは素早く立ち上がりピーンと背筋を伸ばして直立すると「大変申し訳ありませんでした!!」と綺麗なお辞儀をかました。
きっちりと分度器で測ったかのような90度のお辞儀である。
(体育会系……)
人のことは言えないが、ミモザはそれを見てしみじみと思った。
見るからに文化系のマシューなどその光景をマカ と は見て若干引いている。
「その、まさか魔薬が入っているとは……。先日のお詫びだと渡されまして……」
「おおかた可愛い女の子から渡されたからって受け取ったんでしょう! 情けないわ!!」
「も、申し訳ありません!」
師弟のやり取りを尻目にミモザはすすす、とマシューへと近づくとジーン宛の果物は勝手にジーンのベットサイドへと置き、マシュー宛の果物を彼に差し出した。
「ちなみにマシュー様はどうして食べたんですか?」
「………、あんな子だとは知らなかったんだよ。ちょっと極端な所があるとは思ってたけど……」
そこまで言ってじろりとマシューはミモザを睨む。
「あんたのお姉さんだと言うのも一応理由としてはあったよ」
それにおや、とミモザは首をひねる。
「マシュー様、僕が突然なんの理由もなく飴をあげたら食べるんですか?」
「…………」
マシューは差し出された果物を受け取ろうとした手をぴたり、と止めてしばし悩んだ。
「いや、うん、そうだな……。あんたからのは……、悩ましいな。お見舞いであれば受け取るけど、なんの理由もなしか……」
「まぁ、あげませんからそんな真剣に悩まないでください」
「あんたはそういう所だよ」
じろりと再び睨むとマシューはふん、と鼻を鳴らして果物を受け取った。
「まぁ、あんたは利口だからこんな目撃者の多い所で毒殺はしないだろう。こっそり渡されたら受け取らない!」
「はぁ……」
亜鉛 サプリまぁ、確かにこんなに目立つ場所で白昼堂々毒殺はしないだろう。
そのまま二人はしばしフレイヤ師弟の叱責と謝罪が終わるのを待ったが、二人は全く終わる気配を見せない。
(帰ろうかな……)
時間を持て余してジーンへの挨拶はまた今度にするかと諦めかけたところで、「なぁ」とマシューが声をかけてきた。
「あんたの姉ってなんか妄想癖でもある?」
「なぜですか?」
突然の質問に驚く。正直思い込みは激しいが、と思いつつミモザは尋ねた。するとマシューは少し難しい顔をして頭を掻く。
「いや、なんかこれから起こることがわかるとか、自分は人生をやり直してるとか言っててさ」
「………っ」
ヒュッと呼吸が鋭い音を立てた。言葉が出ない。
そんなミモザの様子には気づかずにマシューは愚痴るように続ける。
「なんか前回が前回がってずっと言っててさ。俺たちは前回も仲が良かったとか、女神様にお願いしたからやり直せたとか……、薬が効いてる時は可愛いと思って聞いてたけど、今思い返すと結構ヤバいこと言ってたよ」
「そ、そうですか……」
ミモザにはそう返すのがやっとだった。
。マカ と はマカ サプリアントシアニンの効果クロムの効能
その後は仕事の話アントシアニン
その後は仕事の話になり、ミモザはレオンハルトとアズレンの会話を聞くのみゴーヤでゴーヤあった。話題にはやはり野良精霊の異常増殖と狂化の件がのぼったが、現在は小康状態であり以前の同時多発などは起きていないが継続はしていること、原因は相変わらず不明であること、そして人為的に引き起こされているクロムの効能ことは状況証拠的にほぼ確定であることがやり取りの中で明かされた。
最後に「では期待しているぞ!我が国の最強の精霊騎士よ!!」というアズレンの激励を受けて挨拶は終わった。
そうしてマッスル王子との面会をなんとか無事に終えたレオンハルトとミモザだったが、その2人の間には今、
「……えっと、お食事でもお待ちしましょうか?」
「いやいい」
微妙な空気が流れていた。
原dha epa因は明白だ。
(好みのタイプ聞かれてとっさにレオン様の名前出しちゃったからなぁ)
ミモザはぼんやりと斜め上方を見やる。シャンデリアが眩しい。
レオンハルトの性格的に、あのような場であのような名前の出され方はきっと不愉快だったことだろう。王子の発言からするともしかしたらミモザがエスメラルダと話している間、彼は不機嫌な表情を浮かべていたのかも知れない。
(不機嫌な顔の何が面白いのかはわからないけど…)
謝罪しなければ、と思いつつもどうにもタイミングが掴めず気まずい沈黙が流れていた。いっそのこと一発殴ってくれたほうが謝りやすいまである。
「ええっと、」
「君は」
そこでやっとdha epaレオンハルトは重い口を開いた。ミモザは開きかけた口を閉ざして彼を見上げる。レオンハルトはミモザのことは見ずに、手にしたグラスを眺めていた。
「先ほどの発言だが」
「す、すみませんでした!」
思わず土下座する勢いで謝る。
「ええと、とっさに思い浮かんだ男性がですね!レオン様で!つい!」
「……そうか」
恐る恐る見上げる。彼は非常に微妙そうな顔でこちらを見ると、はぁ、と一つため息をついた。
「君のことだから、そんなことだろうとは思ったよ」
「は、はぁ、えっと、次からは同じようなことを聞かれたら、えっと、別の誰かの名前を……」
「それはやめろ」
強い口調に身をすくめる。ちらりと彼を見るとその目は据わっていた。
「それは、やめなさい」
「……はい」
「俺でいい」
ふい、とまた顔ごと背けてレオンハルトはグラスを見つめる。
ポリ ペプチド「そういう時に出す名は、俺でいい」
「……わかりました」
本当はよくわかっていないがわかったふりをしておく。レオンハルトは「それでいい」と頷いたのできっとそれでいいのだろう。またしばらくの間が空き、どうしようかなぁとミモザがもぞもぞ身じろぎをし始めたあたりで、
「あー、君は」
再び気まずそうにレオンハルトが口を開いた。
「はい?」
「ああいうのが好みなのか?」
「好み?」
見つめ合う。先に目を逸らしたのはやはりレオンハルトだった。彼ははぁ、とため息を吐く。
「もういい。少し鷹を撃ちに行ってくる」
「鷹?」
「手洗いだ」
「あー……」
レオンハルトからグラスを受け取りその後ろ姿を見送る。いつもよりその背筋が若干しょんぼりして見えるのはミモザの気のせいだろうか。ふと途中でレオンハルトは何かを思いついたように足を止め振り返ると「筋肉とか胸とかの餌をぶら下げられてもフラフラついて行くなよ」と念を押した。
「………はい」
サプリメント マカ極めて遺憾である。
「ねぇ、あなた」
レオンハルトがお手洗いに立って少しした頃に彼女は訪れた。
(僕のことを睨んでいた……)
ピンクブロンドの髪に緑の瞳をした令嬢、アイリーンである。彼女はにっこりと笑顔でミモザに話しかけてきた。
「レオンハルト様からあなたを呼んでくるようにと言われたのだけれど、一緒に来ていただけるかしら?」
(嘘だな)
とはすぐにわかったが、ここで平民のミモザが伯爵令嬢を無下に扱うわけにもいかないだろう。それに彼女の思惑も気になるところである。
「わかりました」
ちょっとレオンハルトに言われた「フラフラついて行くなよ」が脳裏をよぎったが、別に餌をぶら下げられたわけじゃないからいいだろうとミモザは1人がてんして、彼女の誘いに応じることに決めた。
。マカ サプリ亜鉛 サプリ おすすめマカ
さて、第一王子クロムの効能
さて、第一王子アズレン・アルタイル・アゼリアはステラの攻略対象のうちの1ゴーヤ人である。
ただし、『バッドエンドの扱いの』亜鉛の効果という注釈がつく。
これには三つ理由がある。
一つ目はこのアズレン王子が『誰も攻略できなかった際に救済措置』として結ばれる相手だからである。実はこのアズレン王子、ゲーム中に仲を深めるようなイベントは存在せず、お話の中にちょこちょこ登場する脇キャdhaラである。通常の乙女ゲームでは条件を満たせず誰も攻略できなかった場合は誰とも結ばれないエンドが存在したりするが、このゲームではその際にお情けとしてこのアズレン王子と結ばれるのだ。つまり何もせずにだらだらしていると結ばれるお相手ということである。
二つ目はこのアズレン王子、婚約者がいてそのお相手が正妃に内定している。つまり亜鉛 の サプリステラは側妃として迎えられるのである。これは両思いを目指すプレイヤーとしては気に入らないだろう。
そして三つ目、これはーー
音楽とともに2人の人物が入場してきた。1人は細身の女性である。紫がかった銀髪を緩やかに結い上げ深い翡翠色の垂れ目をした、たおやかな女性である。彼女は群青色の美しいドレスを身に纏い、物静かな風情で立っていた。
そしてその隣には金髪碧眼のマッチョがいた。
「ふんっ!」
おもむろにそのマッチョがマッスルポーズを取ると胸元のボタンがブチィッと音を立てて弾け飛ぶ。見事な大マカ胸筋が露出した。
健康的に日焼けした肌は何かのオイルを塗っているのかテカテカしている。
「皆の衆、本日はよくぞ集まってくれた!」
マッチョは別のマッスルポーズへと姿勢を変えた。
「今日ここで!私はエスメラルダを婚約者とすることを皆に誓おう!!」
その満面の笑みを浮かべる口で、白い歯がきらりと光る。
しばらく会場のみんなは沈黙した。その後我に返ると自分達の役割を思い出し、盛大な拍手をした。
「ありがとう、ありがとう」
にこにことマッチョこと、アズレン王子が手を振る。
ーーこれが三つ目の理由。王子は筋肉キャラだった。
今日って王子の婚約披露宴だったのか、とミモザはやっと状況を理解した。
ホールには穏やかな音楽が流れていた。皆それぞれ歓談したり、食事や飲み物を口に亜鉛 の サプリ運んだりとその場の空気を楽しんでいる。
王子達へと挨拶は一組ずつ呼ばれて行うらしく、ガブリエルは「呼ばれたから行くわ」とオルタンシア教皇が呼ばれたタイミングでいなくなってしまった。
ぼんやりと眺めているとこちらに駆け寄ってきた若い使用人が「次です」と囁いて王子の元へと先導するように歩き始めた。
当たり前のようにレオンハルトが腕を差し出すので若干「僕も行くのか……」と内心思いつつその腕に手を添えてミモザも歩いて着いていく。
隣を歩くその顔を横目でちらりと見上げると、一応その表情は穏やかな笑みを浮かべていたが、目が死んでいた。
(……苦手なんだろうなぁ)
その表情を見て悟る。基本的にはローテンションな人だ。あのようにハイテンションな人は不得手なのだろう。ちなみにミモザは人付き合い全体が不得手だが、ハイテンションな人は嫌いではない。
というよりはあの立派な筋肉が気になる。
(どうやってあそこまで育てクロムの効能たんだろう……)
ぜひ教えてもらいたいものだ、と思うがそんな不敬は許されないだろう。
「おお!よく来たな!レオンハルト!!」
あれこれと考えていると、まだその目前まで辿り着いていないのに馬鹿でかい声が鼓膜を叩いた。
「お前の顔が見れて私は嬉しいぞ!!」
「……俺もです。殿下」
距離にして5mはありそうな遠くから叫ばれてレオンハルトは一瞬嫌そうにしながらもすぐに笑みを取り繕い、足早にその目の前へと馳せ参じる。
そのまま騎士の礼を取るのに、ミモザも慌てて真似しようとして思いとどまった。
(危ないっ)
今はドレスを着ているのだと思い出し、すんでのところで淑女らしくカーテシーをして見せた。
レオンハルトの付けてくれた教師は淑女としての作法も色々と教えてくれたが、所詮は付け焼き刃、油断するとうっかり忘れてしまう。
こっそり冷や汗をかいていると「おお!」と頭上から歓声が聞こえた。
「それが噂の弟子か!!くるしゅうない!面をあげよ!!」
「はっ」
レオンハルトが顔を上げるのに合わせてミモザも上げる。目の前で見る筋肉の塊はなかなかに迫力があった。亜鉛の効果身長こそレオンハルトの方が高いものの、筋骨隆々と盛り上がったその体躯はその肉感ゆえに圧迫感がすごい。心なしか彼の周辺だけ温度が2、3度高い気もする。
思わずまじまじと見つめてしまうミモザに、彼はその無礼を咎めることなくにこりと笑った。
「私に何か気になるところがあるか?」
「筋肉が……」
「うん?」
「とても美しいと思いまして」
彼はぽかんとした後、弾けるように笑い声を上げた。
「そうか!!そういった感想はなかなか稀だ!」
「殿下、笑いすぎです」
側で控えていたスキンヘッドにサンタひげをした男性が静かに首を横に振って言う。彼は宰相のオーティスだと先ほどガブリエルが教えてくれていた。その淡い水色の瞳は呆れている。
「名は何と言う」
宰相を無視して続けられた言葉にミモザは慌てる。そういえば名乗るのもまだであった。
「失礼致しました。レオンハルト様の弟子のミモザと申します」
「うむ!ミモザか!!先ほどはなかなかの余興であった!!」
「は?余興……?」
溌剌とよくわからないことを褒めるアズレンに、レオンハルトは渋い表情で「やはりあれは殿下の差し金でしたか」と告げた。
「あれ?」
「先ほど君のことを睨んでいる女性がいただろう」
レオンハルトの言葉にああ、と思い出す。確かに2人ほどクロムの効能目についた。彼女達がアイリーンとセレーナという名の伯爵令嬢なのだと、やはりガブリエルが教えてくれたのは記憶に新しい。
「あの2人は犬猿の仲で有名でな。余程のことがない限りは2人そろって同じパーティーに呼ばれることはない。わざと呼んだんだ、ここにいるアズレン殿下が」
思わずアズレン殿下の顔を見ると彼はにやりと笑った。
「あの2人はレオンハルトを取り合っていつも派手な喧嘩を繰り広げているのだ」
その言葉にミモザはレオンハルトの顔を見る。彼は眉間に皺を寄せたまま黙っている。
「悪趣味ですよ、殿下」
代わりに宰相がぼそりと苦言を呈した。
「いやぁ、見事な流れであった!2人の喧嘩からのミモザ嬢の登場!!まるでよく出来た喜劇だ!いやいやあそこまで真に迫った表情は劇場では見られんな!」
「殿下」
咎める宰相に王子は「いいではないか!」と呵呵と笑った。
「我々王族は国民を守るための防衛システムのようなものだが、多少臣下をからかうくらいは許してもらわねばな!政務をする気もなくなるというものだ!!」
「不謹慎です」
宰相は渋面だ。
「いやしかしミモザ嬢。貴方もなかなか良い筋肉だ。普段はどのようなトレーニングを?」
気まぐれな気性の持ち主なのか、彼は唐突に話題を変えた。見事なマッスルボディの持ち主にふいに筋肉を褒められて、ミモザは思わずぱっと頬に朱を散らす。
「え、えっと、殿下のトレーニングには敵わないかと思われますが、一応筋トレは一通り……」
もじもじdha epa dhaと告げる。
「なるほど、いやしかし実用的な筋肉だ。トレーニングだけではあるまい」
「えっと、そのう、鈍器を少々振り回す程度でしょうか」
「鈍器!素晴らしい!私はよくバトルアックスを振り回しているぞ!!」
「素敵です」
ミモザは大真面目に頷いた。2人の間には筋肉をとおして通じ合う、信頼に似たなんらかの感情が生まれつつあった。
「のう」
しかし思わず握手をしかけた2人の間にずずい、と割り込む声がする。そちらを見ると婚約者であるエスメラルダがミモザをじっとりと睨んでいた。
「のう、そち、今のは聞き間違いかの」
彼女はゆっくりと数歩前に出ると威圧するようにミモザに顔を近づける。
「わらわの勘違いでなければ、今そなたはわらわの将来の夫をたぶらかしたかの?」
氷のような視線である。ミモザは震え上がった。
「め、めっそうもないです!」
「ほう?ではどういうつもりじゃ」
「そ、その、素晴らしい筋肉の持ち主なので、憧れと申しますか……」
その返答に彼女はその整った眉根を寄せた。
「むぅ、まさかこのような変態筋肉だるまに興味のあるおなごがおるとは……、盲点じゃった」
「今変態筋肉だるまって言いました?」
宰相が尋ねるがそれは無視された。
「まさかそなた、我が将来の夫が好みだなどと申すまいな」
ミモザはぶんぶんと首を横に振る。しかし彼女は納得できないらしい。そのままぐいぐいとミモザに詰め寄る。
「では、どのようなおのこが好みじゃ。もうしてみぃ!」
「え、えーと、」
ぐるぐると思考が空転する。結果、一番最初にに思い浮かんだ相手は、
「れ、レオン様です!」
だった。
エスメラルダはむぅ、と唸ると「我が将来の夫とはまるで違うようじゃポリ ペプチドな」と頷いた。
「ではまぁ、許してやろう」
「あ、ありがとうございます」
「しかしゆめゆめ忘れるでないぞ。我が将来の夫に手を出してみよ」
彼女は夫の隣へとゆっくり戻るとミモザを見下ろして胸を張った。
「そなたのことは、ほっぺたをぐりぐりする刑に処す」
「は、はぁ」
思ったより可愛らしい刑だ。
「焼けた鉄での」
「絶対に手を出しません!!」
前言撤回、えげつない刑だった。
「はっはっはっ!すまんな、ミモザ嬢。我が将来の妻は少々嫉妬深いのだ!!」
すすす、と彼女は殿下に近づくとそのまま彼の肩へとしなだれかかった。
「そなたがわらわにつれないのが悪いのではないか」
その顔は恋する乙女そのものだ。
「よしよし!可愛いやつめ!はっはっはっ!」
快活にそう言い放った後、アズレンは面白がるようにミモザとレオンハルトを見てにやりと笑った。
「しかしまぁ、おかげでめずらしい奴の面白い顔が見れた。感謝するぞ、ミモザ嬢」
「面白い顔?」
首を傾げるミモザの横で、最初に話して以降はずっと無言で佇んでいたレオンハルトは誤魔化すように咳払いをした。
。マカ と はゴーヤ チャンプルーdha epaゴーヤ チャンプルー
その後は仕亜鉛 サプリ おすすめ
その後は仕事の話になりクロムの効能、ミモザはサプリメント マカレオンハルトとアズレンの会話を聞くのみであった。話題にはやはり野良精霊の異常増殖と狂化の件がのぼったが、現在は小康状態であり以前の同時多発などは起きていないが継続はしていること、原因は相変わらず不明であること、そして人為的に引き起こされてdha epaいることは状況証拠的にほぼ確定であることがやり取りの中で明かされた。
最後に「では期待しているぞ!我が国の最強の精霊騎士よ!!」というアズレンの激励を受けて挨拶は終わった。
そうしてマッスル王子との面会をなんとか無事に終えたレオンハルトとミモザだったが、その2人の間には今、
「……えっと、お食事でもお待ちしましょうか?」
「いやいい」
微妙な空気が流れていた。
原亜鉛 サプリ おすすめ因は明白だ。
(好みのタイプ聞かれてとっさにレオン様の名前出しちゃったからなぁ)
ミモザはぼんやりと斜め上方を見やる。シャンデリアが眩しい。
レオンハルトの性格的に、あのような場であのような名前の出され方はきっと不愉快だったことだろう。王子の発言からするともしかしたらミモザがエスメラルダと話している間、彼は不機嫌な表情を浮かべていたのかも知れない。
(不機嫌な顔の何が面白いのかはわからないけど…)
謝罪しなければ、と思いつつもどうにもタイミングが掴めず気まずい沈黙が流れていた。いっそのこと一発殴ってくれたほうが謝りやすいまである。
「ええっと、」
「君は」サプリメント マカ
そこでやっとレオンハルトは重い口を開いた。ミモザは開きかけた口を閉ざして彼を見上げる。レオンハルトはミモザのことは見ずに、手にしたグラスを眺めていた。
「先ほどの発言だが」
「す、すみませんでした!」
思わず土下座する勢いで謝る。
「ええと、とっさに思い浮かんだ男性がですね!レオン様で!つい!」
「……そうか」
恐る恐る見上げる。彼は非常に微妙そうな顔でこちらを見ると、はぁ、と一つため息をついた。
「君のことだから、そんなことだろうとは思ったよ」
「は、はぁ、えっと、次からは同じようなことを聞かれたら、えっと、別の誰かの名前を……」
「それはやめろ」
強い口調に身をすくめる。ちらりと彼を見るとその目は据わっていた。
「それは、やめなさい」
「……はい」
「俺dhaでいい」
ふい、とまた顔ごと背けてレオンハルトはグラスを見つめる。
「そういう時に出す名は、俺でいい」
「……わかりました」
本当はよくわかっていないがわかったふりをしておく。レオンハルトは「それでいい」と頷いたのできっとそれでいいのだろう。またしばらくの間が空き、どうしようかなぁとミモザがもぞもぞ身じろぎをし始めたあたりで、
「あー、君は」
再び気まずそうにレオンハルトが口を開いた。
「はい?」
「ああいうのが好みなのか?」
「好み?」
見つめ合う。先に目を逸らしたのはやはりレオンハルトだった。彼ははぁ、とため息を吐く。
「もういい。少し鷹を撃ちに行ってくる」
「鷹?」
「手洗いだ」
「あー……」
レオンハルトからグラスを受け取りその後ろ姿を見送る。いつもよりその背筋が若干しょんぼりして見えるのはミモザの気のせいだろうか。ふと途中でレオンハルトは何かを思いついたように足を止め振り返ると「筋肉とか胸とかの餌をぶら下げられてもフラフゴーヤラついて行くなよ」と念を押した。
「………はい」
極めて遺憾である。
「ねぇ、あなた」
レオンハルトがお手洗いに立って少しした頃に彼女は訪れた。
(僕のことを睨んでいた……)
ピンクブロンドの髪に緑の瞳をした令嬢、アイリーンである。彼女はにっこりと笑顔でミモザに話しかけてきた。
「レオンハルト様からあなたを呼んでくるようにと言われたのだけれど、一緒に来ていただけるかしら?」
(嘘だな)
とはすぐにわかったが、ここで平民のミモザが伯爵令嬢を無下に扱うわけにもいかないだろう。それに彼女の思惑も気になるところである。
「わかりました」
ちょっとレオンハルトに言われた「フラフラついて行くなよ」が脳裏をよぎったが、別に餌をぶら下げられたわけじゃないからいいだろうとミモザは1人がてんして、彼女の誘いに応じることに決めた。
。ゴーヤ チャンプルー亜鉛 サプリ おすすめdha epa
何が起きゴーヤ
何が起きたのか分からなかった。
ちりちりと何かが焼けこげているような熱と臭気に包まアントシアニンれながら、それを呆然と見上げる。
熊達の首から上が吹き飛んでゴーヤいた。
「そのまま伏せていろ」
「ひぇっ」
声と共に熱波が頭上を掠める。おそるおそる顔を上げると、残りの熊達の首も跳ね飛ばされているところだった。
「……くびちょんぱだ」
どさどさと音を立てて首なしの遺体が目の前に積みゴーヤ上がる。
「無事か?」
その悪夢のような光景を一瞬で作り上げた人物は、状況にそぐわぬ落ち着いた声でのんびりと聞いてきた。一応疑問形はとっているがその口調は無事を確信している。
「……レオンハルト様」
そこにはまごうことなき最強の精霊騎士の姿があった。
「どうしてここに……」
「うん?時々様子を見に来ると言っただろう」
差し出された手をとり立ち上がる。どうdhaやら彼は忙しい仕事の合間を縫ってミモザの様子を見に来てくれたようだった。
てっきりミモザのことなどもう忘れてしまったか相手をするのが億劫になってしまったかと思っていたので驚く。その表情からこちらの気持ちを察したのだろう。レオンハルトは少々気分を害したように眉を顰めた。
「別に忘れていたわけでも投げ出したわけでもない」
「え、へへへ、もちろんです。そんなこと思ってませんよ!」
「まったく…、まぁ、出していた課題はきちんとこなしていたようだな」
ミモザの服から出ている筋肉のついた腕や足を見て、「そこは褒めてやろう」と鷹揚に頷いたゴーヤ チャンプルー。
「そこに着けたんだな」
ふと気がついたように彼が言う。視線を辿るとそれはミモザの首元、レオンハルトにもらった黄色い宝石のついたリボンに向いていた。
「ああ」と頷いてミモザは遠い目になる。大変だったのだ、色々と。
最初は見えないように服の中、腕や足につけようとした。なぜならこんな高価そうなものを持っていれば母や姉に何かを言われることは必至だったからだ。
しかしこの魔導具、どうやらこの宝石部分を隠してしまうと効果がないらしかった。そのためなんとか目立たず宝石が隠れない場所を模索したが、そんな場所は思いつかなかったのである。
仕方なくレオンハルトを真似して髪につけようとして、髪が短くて断念した。次に腕につけたがいつ汚れるか壊してしまうかとdha epaハラハラしてしまい落ち着かず、最終的に落ち着いたのが首にチョーカーのように巻くという現状である。
当然のことながら、母には「そんな高そうなものどうしたの?」と心配げに聞かれ、姉には「いいなぁ、わたしもそういうオシャレなの欲しい」と詰め寄られた。
それに対してミモザは「誕生日プレゼントにもらった」「これあんまり高くないよ!宝石じゃなくてイミテーションだって」で無理矢理押し通した。実は春生まれでレオンハルトに出会う1ヶ月前に12歳になったばかりだったミモザは「少し遅めの誕生日プレゼント」と言い張った。相手に関しては「時々遊んでくれる近所のお兄さん」だと母にだけこっそりと告げた。納得はしていないようだったがそれ以上は話したがらないミモザに母はひとまず様子を見ることにしたらしい。姉はあまり高価な物ではないと聞いて欲しがるのをやめた。元々レオンハルトが着けていただけあって男性向きのデザインのため好みじゃなかったのだろう。
「えっと、他につける場所が思いつかなくて……」
クロムしかしそれを言っても仕方がないのでミモザは前半部分だけを割愛して伝えた。
レオンハルトはそんなミモザの様子に気づいていないわけではないのだろうが、「ふうん」と気のないふうに流す。
そして手を伸ばしてリボンの位置をちょいちょいと直し始めた。どうやら熊とやり合っている間にズレていたらしい。それだけでは直らなかったのか、彼は一度結び目を解いて綺麗に巻き直してくれた。
巻き直すために顔が近づき、長い藍色のまつ毛が伏せられているのが間近に見える。
「よし。ああ、よく似合っているな」
巻き終わったのかそのまま顔を上げて彼が微笑んだ。
「……はぁ、どうも」
(ドアップに耐えうる美形すごいな)
そして紳士である。初対面の時は垂れ流しになっていた黒いオーラが今は見えないため、さらに美形に拍車がかかりその顔はきらきらと輝いて見えた。
リボンに手で触って確認するとミモザが巻いた時よりもずっと綺麗に結ばれているように思う。
「前回会った時、落ち合う場所を決めていなかっただろう。君と初めて会った場所に行けばいいかと思っていたら、大量の野良精霊が村に向かって走っているじゃないか。放っておくと障りがありそうだっマカ サプリたからそいつらを片付けながら様子を見に来たら君がいたんだ」
そのまま素知らぬ顔で彼は話題を戻した。惚けていたミモザは一瞬話題についていけずぱちぱちと瞬く。そんなミモザには構わず「まさかこの森でもこんなことが起きるとはな」とレオンハルトは続けた。
「この森で『も』?」
その言葉に引っかかりを覚えてミモザは首をひねった。それを横目でちらりと流しみて「ああ」と彼は頷く。
「数はそう多くないが他の場所でも同様の事例が見られていてな。なんの前触れもなく局地的に狂化個体が大量発生するんだ。その対応と原因調査でなかなか手が離せなかった」
「原因、わかったんですか?」
彼はその質問には答えず肩をすくめてみせた。わからなかったということだろう。
(ゲームの状況と似てる)
主人公のステラが最終的に聖騎士の地位を賜ることになる事件。あれは確かボス精霊が狂化したことによる暴走を止めるというものだったはずだ。そしてその前兆は主人公が故郷を旅立った頃からすでに見られていた。
この3つ目の熊はその前兆のうちの一つだ。
(ゲームが始まる前からすでに前兆があったのかな)
もしくは本当に展開が早まってしまっているのか。
いずれにしても、ゲームでその原因が語られていたのかどうかすらミモザには思い出せなかった。
「随分と頑張ってくれていたね」
「え?」
思考の海にもぐっていたミモザはそのdha epa dha声に我に返る。見上げるとレオンハルトは微笑んだ。
「君がここで抑えてくれていたから俺が間に合った。君がいなければ村に被害が出ていただろう」
「そんなことは……」
「あるさ。謙遜は美徳だが卑屈は害悪だ。自身の功績は素直に誇りなさい」
そう言って背中を叩く手は力強く、ミモザを明るい方へと後押しするようだ。
「あ、りがとう、ございます」
胸が熱くなる。涙が溢れそうでミモザは俯いた。
努力を認められるということがこんなに得難いことなのだと、生まれて初めて知った気がした。
「さて、俺はもう少し奥の方を調べてみるつもりだが、君はどうする?」
「ご一緒させてください!」
「足を引っ張るようなら置いていくぞ」
意気込むミモザにレオンハルトは笑顔で釘を刺す。
わりと本気の声音だった。
結論から言うとまるで原因となるようなものは見つからなかった。
先ほど暴れ回っていた熊達が寝ぐらにしていたのであろう巣穴は見つかったのだが、レオンハルトによるとその巣穴自体にも周辺にも特に狂化に繋がるような不自然な点は見当たらないらしい。
「基本的には野良精霊が狂化することは非常に少ないんだがな」
「そうなのですか?」
「ああ、通常狂化というのは人間の感情に引っ張られてなるものだ。抑圧されたストレスが爆発する形で起こる。しかし野生動物はストレスが加えられても抑えるということをせずその場で威嚇という形で発散するものだ。よって狂化しにくい」
「それは…、野生動物でも追い詰められるような状況に長くさらされれば起きるということでしょうか」
ミモdha epa dhaザの鋭い指摘に意外そうにひょい、と眉を上げてレオンハルトは頷く。
「そうだな。そう考えてもらっていい。多くは自然災害や人間が住み家に踏み入り荒らすことで起こる。しかしこの場所は平和そのもので災害などが起こった痕跡も森が開拓された様子もない」
これは他の場所と同じくこれ以上探っても何も出ないだろうな、とレオンハルトはぼやいた。
「それって……」
言いかけたミモザに、皆まで言うな、と彼は手を振る。
「推測の域を出ん。迂闊なことは言うものではないよ」
そのセリフが彼もミモザと同じ可能性を思い浮かべているのだと物語っていた。
天災でないのならばこれはきっと人災だ。レオンハルトが何件も調査していずれも痕跡がないというのならば、それは意図的にその痕跡を隠蔽しているとしか思えない。
誰かが人為的に狂化を起こしている。
単純に人知れず虐待などを行った結果として偶然狂化が起こっているのならばいいが、狂化を起こすことを目的としていた場合は厄介と言うより他にない。
「まぁ、この話はここまでだ。時間もないし本題に入るとしようか」
「本題?」
首を傾げるミモザに「何のために俺がここに来たと思っている」と彼は呆れたように言った。
「君の修行をつけるためだろう」
「あ」
すっかり頭から抜けていた。そんなミモザに彼は再びため息をつくと、
「ところで自己紹介を忘れていた。俺はレオンハルト・ガードナーという。守護精霊の名はレーヴェ。君の名前は?」
となんとも今更なことを聞いてきた。
「えっと、有名なので存じています。ミモザと、この子はチロです……」
ミモザもすっかり忘れていたので人のことを言えなかった。
。マカ と はゴーヤdha epaマカサプリメント マカ
轟々と風が吹いてポリ ペプチド
轟々と風が吹いている。
dha epaそこは険しい岩山だった。周囲は鋭く尖った岩ばかりが転がりその合間合間、申し訳程マカ サプリ度にわずかに木や草が生えている。
1人の少女がいた。陽の光を反射するハニーブロンドの髪をショートカットに切り揃えサファイアのように青く透き通った瞳を静かに伏せて遠くを見据亜鉛 サプリえている。
彼女の視線の先は崖の下。そこには数十、下手をしたら百を超えてしまいそうな数の猪の姿をした野良精霊がうじゃうじゃといた。
「うえー」
少女は見た目にそぐわぬうんざりとした声でうめく。
「謎の大繁殖だそうだ。以前の熊の狂化同様の異変だな」
彼女の背後から現れた美丈夫が腕を組んでそう告げた。そのまま彼女の隣へと並び野良精霊の群れを検分するよアントシアニンの効果うに眺める。その視線は険しい。
よく見ると彼らの背後には教会に所属する騎士と思しき白い軍服を着た人々が控えていた。皆一様に緊張の面持ちで前方の2人を見守っている。
この場で白い軍服を着ていないのは少女だけだった。
さらり、と男の藍色の髪が風に流れ、黄金の瞳が横目で彼女のことを捉えた。
「行けるか」
「はい」
少女はそう明瞭に答えると懐から両手いっぱいの鈴を取り出した。そしておもむろにそれをジャンジャカと目一杯振りながら踊り狂い始める。
マカその眼差しはーー本気だ。
「……何をやっている」
「これは、ですね!勝利の確率を高めるおまじないの舞を舞っています!」
「そうか。それはあとどれくらいかかる?」
「えっと最短であと3分くらい、」
「行ってこい」
「あー!」
言葉の途中でレオンハルトに背中を蹴飛ばされミモザは声をフェードアウトさせながら崖を滑り落ちていった。
そのあまりにも無情な行為に周囲は総毛立つが当のミモザはといえばおもむろに自身の精霊を防御形態へと変えるとそのお椀型の結界をまるでそりのように崖へと滑らせその上へと華麗に着地した。そのままスノーボードのように精霊の群れへと向けて崖を滑り降りてゆく。
「すぐにー戻りまーす!」
そのぞんざいな扱いにあまりにも慣れた様子は周囲の同亜鉛の効果情を誘うには十分だった。
その一刻後、ミモザの周囲は猪の遺体だらけとなっていた。血みどろになった服を撫でつけてみるが当然それで血が落ちるわけがない。
「よくやった、ミモザ」
いつのまにか近くに来ていたレオンハルトがそう言って褒めるようにミモザの肩を叩いた。
「血が付きます」
「ん?ああ、別にいいさ。君がやってなかったら今頃俺がそうなってる」
そう言うとレオンハルトは遺体の検分に入った。他の騎士達もぞろぞろと現れてにわかに騒がしくなる。
「狂化個体は確認できません」
「大量の巣穴が確認できました。共食いの形跡があることからも急激に増殖が起こったものと思われます」
「……これまでの異常と同じ、か。少しでも不自然な痕跡がないか調べろ。人が踏み入った形跡がないか、他所から群れが移動してきた可能性はないかを特に重点的にな」
「はっ」
レオンハルトの指アントシアニン示に一度報告に訪れた面々が再び散っていく。
「まぁ、これまで同様、期待はできんがな」
レオンハルトは難しい顔で腕を組んだ。
この世界でお金の単位はガルドという。ミモザの感覚では概ね1ガルドは1円と同等くらいだ。
「今回の手伝いの報酬だ」
そう言ってレオンハルトはミモザに金貨を渡した。渡されたのは小金貨だ。小金貨は一枚約1万ガルドである。それが3枚。3万ガルドだ。
(結構儲かるなぁ)
命がかかっていると考えると安いが、1時間の労働に対する報酬としては高い。
ちなみにこれは相場からすると安めである。理由はこれは本来ならレオンハルトに下された任務であり、ミモザは修行の一環として代行しているという立場だからである。レオンハルトは時々こうしてミモザに経験を積ませるためのアルバイトを持って来てくれる。
このお金は一応教会から、ひいては大元の国からレオンハルトに対して出る予定らしいが、支給されるのはまだ先のためレオンハルトのポケットマネーから先払いでもらっている。
要するに、これはレオンハルトからのお小遣いである。
「戻るか」
サプリメント マカ「よろしいのですか?」
まだ探索中の他の騎士達を見てミモザは首を傾げる。それにレオンハルトは肩をすくめてみせた。
「もう一通りは確かめたし仕事はこれだけじゃない。後は彼らに任せて俺は次の仕事にうつる」
「おーおー、じゃあ俺もご一緒させてもらおうかね」
そこに新たな声が降って湧いた。レオンハルトはその声に眉をひそめる。
「ガブリエル」
「よう、聖騎士様。お前さんが働き者なおかげで俺はサボれて嬉しいぜ」
ガブリエルと呼ばれた男は30代半ばほどの男だった。濃いブラウンの髪と瞳にやや浅黒い肌をした色男だ。皆と同じ白い騎士装束をやや着崩している。しかしその肩にかけられたマントと勲章が彼が高い地位の人間であることを示していた。
「重役出勤とはさすがだな」
「そうツンケンするなよ。お兄さんにも色々と仕事があってだなぁ……。そっちのお嬢さんが噂のお弟子ちゃんか?」
彼は口の端だけをあげてニヒルに微笑んだ。
「俺はガブリエル。姓はない。ただのガブリエルだ。これでも教会騎士団団長を務めている」
手を差し出される。
「よろしくさん」
握り返した手のひらは厚く、戦士の手をしていた。
。dhaゴーヤアントシアニンクロムの効能
「試練の塔被害者亜鉛 サプリ
「試練の塔被害者遺ゴーヤ族の会?」
その単語にミモザは首をひねった。
「ええ、聞いたことアントシアニンの効果ない?」
「えっと、確か、言葉の通り試練の塔でご家族をなくした方々の集いですよね?」
新聞などで見たことのあるなけなしの知識をなんとか引っ張り出す。それにレオンハルトは顔ゴーヤをしかめた。
「言葉の通りではない」
「え?」
「被害者などは存在しない。試練の塔への挑戦は本人の意思であり自己責任だ。挑んだ結果命を落としたとしても彼らは決して被害者などではない。自身の力を試し未来を切り開くために挑んだ者をしくじったからと言って『被害者』などと呼ぶのは彼らに対する冒涜だ」
「けどまぁ、残されたご家族としてはそれじゃあ納得できないのよねぇ」
フレイヤは困ったようなポーズを取った。
「彼らゴーヤ チャンプルーはこれ以上犠牲者を出さないために試練の塔は閉鎖するべきだと主張しているの。国としては優秀な精霊騎士を輩出する機関として試練の塔の運用は必要だと考えているし、国民達もそこにいる聖騎士様の人気のおかげでその意見に賛同する人はまずいない。保護研究会を除いてね」
「ええと…」
新たに追加された名前にミモザは戸惑う。そんな弟子のていたらくにレオンハルトは盛大なため息をついた。
「保護研究会は試練の塔の保存を目的としている集団だ。学術的な観点での保存をしたい人間や単純に女神の作った物を踏み荒らす行為は認められないと言クロムの効能う人間などが所属している組織だ。まぁ、こっちは過激派以外は放っておいて構わない」
「過激派」
「主張を通すためにテロを行う奴もいる」
なんともぞっとしない話だ。
「どうして放っておいてもいいんですか?」
テロ行為を行わないにしても試練の塔に人が入らないようにしたいと思っている団体なのだ。ミモザには騎士団とは敵対しているように思える。
「影響力が少ないからだ。だいたいの人間にとって彼らの主張はメリットがないし関わりのない主張だ。つまり共感できない」
確かに研究のために保護したいとか、信仰上の理由で保護したいと言われてもいまいちピンとこない。なんというか極端なことを言うものだと思ってしまう。
「けど被害者遺族の会は厄介なのよ」
「厄介?」
フレイヤは頷いた。
「ご身内が亡くなられたから他の被害者が出ないように立ち入りを禁止したいっdhaて言われたら、大抵の人は反論が難しいんじゃないかしら?」
「まぁ、要するに心情に訴えてくるんだな。同情する人間も多い」
ガブリエルが続きを引き取った。フレイヤはそれが不愉快なのかガブリエルを睨む。
なるほど、とミモザは頷いた。確かにそれは厄介だ。
「彼らの主張はあまりにも極端過ぎる。試練に挑んだ者が亡くなったから試練の塔を封鎖するというのは、自らの意志で騎士になった者が殉職したからといって騎士団そのものを廃止しようと言うのと変わらない。こちらだって無駄死にさせたいわけじゃない。だから試練の塔にはセーフティとして年齢制限やレベルの制限を設けて資格のないものは入れないように規制しているんだ」
憤懣やるかたないといった様子でレオンハルトは話す。
「そもそも試練の塔は国防に携わる人間の育成に貢献している。そのおかげで才能のある人間が貴賤を問わず出世できるシステムが実現しているんだ。それに観光資源にもなっているし塔への入場料を利用して保全や管理を行っている。塔への出入りを禁止すれば莫大な資金源の喪失と経済活動の停滞、失業者と収入格差を生むことにゴーヤなる」
それこそ貧困状態から試練の塔を利用し聖騎士まで登りつめた実例の男はそこまで言って嘆息した。
彼がここまで饒舌なのは珍しい。
「百害あって一利なしってことですか」
「その通りだ」
「でも理屈じゃなく感情でそれが受け入れられないのもまた人間ってね」
ガブリエルは手をひらひらと振る。
「で?そんな今更な話をしにきたわけじゃないんだろ?」
「もちろん」
フレイヤは懐から紙を取り出した。
「最近彼らの勢いがすごいのは知ってると思うんだけどこういうコラムがこれから出る予定でね」
彼女達はオルタンシア、ガブリエル、レオンハルトそれぞれにその紙を渡した。3人ともその内容に目を通して難しい顔を作る。
「これは……」
「知り合いの記者に写しをもらったの。これが世に出るのは明後日」
「差し止めは、難しいだろうなぁ」
「ええ、書いた本人が希望するならともかく、わたくし達には無理でしょう」
ミモザがレオンハルトの袖をちょいちょいと引くと彼はその紙を見せてくれた。
そこに書かれた内容は1人の娘を失った母親の悲痛な叫びだ。その文章はとても洗練されていて感情が伝わりやすく、ミモザですら読んでいて涙が滲み出そうだった。
「勢いが加速するかも知れないわ」
フレイヤは言った。
「ただの杞憂ならば良いのだけクロムの効能ど、念のため対応を統一しておきたいのよ。手元にあるのはこれだけなんだけど、連続企画のようなのよね。これの仕掛け人はとても教養があって裕福な方みたい。やり方によっては嵐が起こせるわ」
「なるほど、お話はよくわかりました」
オルタンシアは細い目をさらに細めて頷いた。
「正直できることは微々たることですが、彼らの心情を思うとこれ以上傷ついて欲しくはありません。誠意ある対応をしていきましょう」
この言葉を意訳するならば「被害者遺族の会を刺激しないように、うまいことうやむやにできる対応を考えましょう」と言ったところだろうか。
フレイヤは「さすがはオルタンシア様、話が早くて助かります」とにっこり笑った。
ミモザにとっては苦痛な小難しい話が終わりぐったりと部屋から回廊へと出る。
(疲れた……)
ミモザは会議に参加せず話を聞いていただけだがそれでも精神力がごりごりと削られるやりとりであった。
さっさと立ち去るレオンハルトの背についていこうと足を踏み出したところで
「ミモザさん」
呼び止められて振り向く。声の主は爽やか少年ことジーンであった。
彼はミモザの不思議そうな視線ににっこりと笑うことで答える。
「今日はありがとうございました。貴方のような美しい方に出会えてとても貴重な時間を過ごすことができました」
「はぁ……」
彼が一体何を言いたいかがわからずミモザは戸惑う。それに彼は苦笑した。
「まいったなぁ、慣れないことはするもんじゃないで亜鉛 サプリ おすすめすね。一応これ、口説いてるんですけど」
うん?のミモザは首をひねる。『口説く』という単語の意味がミモザの中で急に行方不明になった。彼は少し困ったように頭をかく。
「そうですね、貴方にはこう言った方がいいかな。また今度時間があるときにでも、よければ手合わせを」
「……えーと、嫌です」
視線を泳がせてミモザなんとかそれだけを返す。非常に気まずい沈黙がその場に落ちた。
「な、なんでですか?」
「ええと、たぶん僕、勝てないので」
「やって見ないとわからないじゃないですか!」
「うーん、だって、手合わせって試合ってことですよね」
ミモザは考え考え言葉を話す。
「え、は、はぁ」
彼は戸惑っている。ミモザは困ったように続けた。
「殺し合いじゃないと、勝機がないです」
「………」
「どーいう教育してんだ、お前」
2人の会話に見かねたガブリエルがレオンハルトをこづく。それにレオンハルトは鼻を鳴らした。
「非常に適切な教育をしているとも」
そのまま褒めるようにミモザの頭を撫でる。
「勝ち目のない戦はするなと教えている」
「試合は勝てねえのに殺し合いは勝てるって?」
「少しでも勝率を上げるのに有効なのは相手を自分の得意な土俵に引き摺り込むことだ。公正なルールのある試合では、それは難しいと判断したんだろう。とても適切な判断だ」
「ねぇ貴方、やっぱりわたくしの弟子にならない?この際この男以外ならそこにいるおじさんでもいいと思うの」
「えーと」
真剣な表情で親身に諭されて、ミモザは我が身の境遇がそんなにヤバいのかとちょっと悩んだ。
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